【編集長の視点】STUDIOUSは上場安値から急反発、直近IPO株人気を再燃させ急反発
- 2015/9/9 10:32
- 編集長の視点
STUDIOUS<3415>(東マ)は、285円高の3395円と4営業日ぶりに急反発して始まり、前日8日取引時間中につけた上場来安値3065円から底上げしている。今年9月2日の新規株式公開(IPO)時に公開価格2870円に対して3440円で初値をつけ、ストップ高で上場来高値3970円まで買い進まれる高人気となり、その後のセカンダリーで最安値に突っ込み値幅整理の目先一巡を示唆し下げ過ぎとして、独自のビジネスモデルを見直し直近IPO株買いが再燃している。9月19日には同社主力のセレクトショップ「STUDIOUS」の京都店をオープンすることも人気再燃材料として注目されている。
■「日本発のファッションブランド」を世界発信し創業以来、増収増益と高成長
同社は、「日本発のファッションスタイルを世界に発信する」ことをコンセプトに東京・原宿で設立され、モード系の客単価を1万8000円~1万5000円とする高価格ブランドのアッパーミドル市場にフォーカスして旗艦ショップ「STUDIOUS」を展開し、ファッション感度の高い20~30代の若い世代からの高支持を獲得している。また、今年3月からは新業態店「UNITED TOKYO」もスタートさせ、顧客ターゲットを40代まで拡大させるとともに、国内生産にこだわったバリューブランドを提供している。出店は、流行発進地域の都市部に限定し今年6月末で19店舗を展開、店舗経営は、業界トップのTOKYOブランド取扱数200超を誇り、現場の社員一人一人がショップオーナーの意識を持ったオーナーショップ型営業と徹底したデータ分析による利益重視の販売活動を特徴としている。また「ZOZOTOWN」などのECサイトにも5店舗を出店し、EC販売比率は、前2015年2月期で32.4%に達している。
このため業績も創業以来、増収増益を続け、今2016年2月期業績は、売り上げ59億7600万円(前期比33.7%増)、経常利益6億4000万円(同2.1%増)、純利益3億96000万円(同2.9%増)と予想している。主要店舗のインバウンド(外国人旅行客)需要が高く、さらに今期の出店では「STUDIOUS」で3店舗を計画、すでに2店舗を出店済みで9月12日に3店目の京都店をオープン、「UNITED TOKYO」でも5店舗の計画に対して3店舗を出店済みで、10月に名古屋店、12月に北大阪店を新規出店することなどが寄与する。
■テクニカル的に目先調整一巡感を示唆し初値奪回から最高値目指し再発進
株価は、日柄・値幅的には初値を下回った調整がほぼ1週間経過、需給的にもIPO時に殺到し積み上がった売買高が、IPO2日目のストップ高でつけた上場来高値場面で1回転し、その後の累積した売買高でテクニカル的に目先売り一巡を示唆している。ディフェンシブ業態の直近IPO株人気を再燃させ、上場来安値から底上げに再発進、初値奪回から上場来高値を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)