ファンデリーは24年3月期2Qが計画を上回る黒字で通期予想は上振れの可能性

(決算速報)
ファンデリー<3137>(東証グロース)は、10月31日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計業績(非連結)を発表した。売上面は計画を下回り減収だったが、利益面はCID事業の原価率改善などにより計画を上回る黒字だった。そして通期の黒字転換予想を据え置いた。第2四半期累計の利益が計画超だったことなどを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。

■24年3月期2Qが計画を上回る黒字で通期予想は上振れの可能性

24年3月期第2四半期累計の業績(非連結)は、売上高が前年同期比2.6%減の13億61百万円、営業利益が46百万円(前年同期は17百万円の損失)、経常利益が24百万円(同41百万円の損失)、四半期純利益が23百万円(同41百万円の損失)だった。

売上高は期初計画に対して1億24百万円下回った。MFD事業において新規顧客獲得数が想定を下回った。ただし営業利益は27百万円、経常利益は28百万円、四半期純利益は27百万円、それぞれ計画を上回った。MFD事業の減収、人件費の増加、資源価格上昇に伴うカタログ制作費用増加などがマイナス要因だったが、CID事業における製品ラインナップや送料体系の見直し効果により、売上原価率が想定以上に改善した。

MFD事業は売上高が7.8%減の10億49百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が27.1%減の1億63百万円だった。減収減益だった。医療機関等の紹介ネットワークを通じた新規顧客獲得数が想定を下回り、利益面では人件費の増加、資源価格上昇に伴うカタログ制作費用増加なども影響した。前年同期比で見ると、第2四半期のアクティブ会員数は3727人減少の2万4823人、月間ARPU(3ヶ月平均)は514円上昇の1万5900円、定期コース会員数は556人減少の6349人、紹介ネットワーク数は438箇所増加2万303箇所だった。

CID事業は売上高(セグメント間の内部売上高含む)が58.0%増の1億27百万円、利益が1億55百万円の損失(前年同期は2億20百万円の損失)だった。依然として損益分岐点に達していないが、MFD事業向け商品の製造(内部取引)による稼働率上昇、国産廃ブランド冷食を希望する顧客へのターゲット再設定と高品質・高価格の製品ラインナップ拡充、値引き抑制や送料体系見直しによるARPU上昇などの効果で営業損失が縮小した。前年同期比で見ると、第2四半期のアクティブ会員数は3970人減少の4221人、月間ARPU(3か月平均)は1980円上昇して8125円、AI旬すぐ会員数は429人減少して1212人となった。月間ARPU(3か月平均)を四半期別にみると、23年3月期第3四半期の5556円をボトムとして、第4四半期が5875円、24年3月期第1四半期が6520円、第2四半期が8125円と改善基調である。

マーケティング事業は売上高が43.4%増の2億55百万円、利益が43.8%増の1億82百万円百万円だった。健康食通販カタログの広告枠販売に加えて、紹介ネットワークを活用した業務受託を複数案件獲得し、収益が大幅に改善した。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億80百万円で営業利益が3百万円の損失、第2四半期は売上高が6億81百万円で営業利益が49百万円だった。第2四半期に営業損益が大幅改善した。

通期の業績(非連結)予想は据え置いて売上高が23年3月期比8.1%増の30億37百万円、営業利益が52百万円(23年3月期は2億85百万円の損失)、経常利益が51百万円(同2億84百万円の損失)、当期純利益が50百万円(同2億84百万円の損失)としている。

MFD事業の計画は、売上高が23年3月期比3.5%増の23億35百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が11.7%減の4億23百万円としている。紹介ネットワークの新規開拓を推進して売上回復を見込む。平均単価については前期比横ばいの前提としている。

CID事業の計画は、売上高が42.3%増の2億01百万円で利益が4億11百万円の損失(23年3月期は7億58百万円の損失)としている。売上面は知名度向上効果などで増収を見込み、利益面では前期第4四半期に計上した広告宣伝費や包装資材評価損の一巡も寄与する。なお平均単価については前期比横ばいの前提としている。

マーケティング事業の計画は、売上高が21.2%増の5億円で利益が25.5%増の3億64百万円としている。前期の期ズレ案件も寄与して大幅増収増益の見込みとしている。

第1四半期の進捗率は売上高45%、営業利益88%、経常利益47%、当期純利益46%だった。第2四半期累計の利益が計画超だったことや、営業利益の進捗率が高水準だったことなどを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性がありそうだ。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は調整一巡

なお、23年3月期に実施した自己株式取得(22年11月15日から23年1月13日までに合計915万5700円・3万2600株の自己株式取得を実施)について、結果として、会社法および会社計算規則に基づき算定した分配可能額を超えていたことが判明したため、10月31日付で調査結果および再発防止策を発表した。

株価は地合い悪化も影響して水準を切り下げたが調整一巡感を強めている。出直りを期待したい。10月31日の終値は296円、今期予想PER(会社予想のEPS7円97銭で算出)は約37倍、前期実績PBR(前期実績のBPS53円37銭で算出)は約5.5倍、そして時価総額は約19億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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