京写は24年3月期2Q累計大幅増益、通期上振れの可能性

(業績修正速報)
京写<6837>(東証スタンダード)は10月31日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。主力のプリント配線板事業のベトナムにおける受注増加、国内における自動車向け受注回復、中国におけるコスト改善、および実装関連の好調、為替の円安効果などで大幅増益だった。そして通期の大幅増益予想を据え置いた。第2四半期累計の進捗率が高水準であることを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だったが、調整一巡感を強めている。第2四半期累計の好業績に加えて、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。

■24年3月期2Q累計大幅増益、通期上振れの可能性

24年3月期第2四半期累計連結業績は売上高が前年同期比3.2%増の121億30百万円、営業利益が196.0%増の6億31百万円、経常利益が105.3%増の4億41百万円、親会社株主帰属四半期純利益が291.7%増の2億87百万円だった。

主力のプリント配線板事業のベトナムにおける受注増加、国内における自動車向け受注回復、中国におけるコスト改善、および実装関連の好調、為替の円安効果などで大幅増益だった。

地域別のセグメント業績(売上高はセグメント間内部取引高を含む)は、日本の売上高が13.6%増の52億96百万円で営業利益が181.3%増の1億17百万円、中国の売上高が4.5%減の63億23百万円で営業利益が25.1%増の4億18百万円、インドネシアの売上高が19.1%減の10億96百万円で営業利益が36百万円の損失(前年同期は18百万円の損失)、メキシコの売上高が28.3%増の60百万円で営業利益が0百万円の損失(同0百万円の利益)、ベトナムの売上高が112.4%増の17億49百万円で営業利益が1億38百万円(同1億34百万円の損失)だった。

日本ではプリント配線板の自動車向けが回復傾向となり、実装関連の新規市場開拓などにより大幅増収増益だった。中国とインドネシアはプリント配線板の事務機分野などの受注が減少したが、中国では高付加価値の金属基板の増収効果やコスト改善効果で増益だった。ベトナムは自動車分野の受注増加により、第1四半期から黒字転換した。

製品別売上高は、片面板が10.0%減の50億19百万円、両面板(多層板、銀スルーホール基板含む)が13.2%増の54億40百万円、実装関連が36.0%増の12億85百万円、その他が9.2%減の3億86百万円だった。両面板、実装関連は過去最高の売上高となった。

用途別売上高は、主力の自動車関連が24.2%増の54億02百万円、家電製品が2.1%増の23億08百万円、事務機関連が24.2%減の13億34百万円、電子部品が26.9%減の8億02百万円、電気機器が38.1%減の3億45百万円、その他(映像機器、音響機器、アミューズメント等)が16.3%減の6億54百万円、実装関連が36.0%増の12億85百万円だった。

四半期別に見ると、第1四半期は売上高61億11百万円で営業利益3億41百万円、第2四半期は売上高60億19百万円で営業利益2億90百万円だった。

通期連結業績予想は据え置いて売上高が23年3月期比2.2%増の250億円、営業利益が48.8%増の10億円、経常利益が34.0%増の8億30百万円、親会社株主帰属当期純利益が特別損失一巡で5億60百万円(23年3月期は4億85百万円の損失)としている。配当予想は23年3月期比6円増配の9円(期末一括)としている。予想配当性向は23.1%となる。

売上面は不透明感を考慮して小幅増収だが、利益面はベトナム子会社の生産量増加・稼働率上昇や生産性向上などで大幅増益予想としている。第2四半期累計の進捗率は売上高が49%、営業利益が63%、経常利益が53%、親会社株主帰属当期純利益が51%と高水準であることを勘案すれば、通期会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は上値試す

株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だったが、調整一巡感を強めている。第2四半期累計の好業績に加えて、1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、上値を試す展開を期待したい。10月31日の終値は416円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS38円97銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の9円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS502円53銭で算出)は約0.8倍、そして時価総額は約61億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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