富士フイルムと神戸大学、非造影CT画像から膵臓がんを検出するAI技術を開発

■一般的な検診や人間ドックでも活用可能

 富士フイルムホールディングス<4901>(東証プライム)グループの富士フイルムと国立大学法人神戸大学は11月1日、腹部の非造影CT画像から膵臓がんが疑われる所見を検出するAI技術を開発したと発表。これにより、一般的な検診や人間ドックで撮影される非造影CT画像からより多くの潜在的な膵臓がん患者を拾い上げ、早期治療につながることが期待できる。

■早期治療につなげることで予後改善とQOL向上を目指す

 膵臓がんは、初期には自覚症状が出にくく早期発見が難しい病気である。予後を改善するためには、直接所見である腫瘤だけでなく、膵臓の萎縮や膵管の拡張・狭窄などの間接所見にも着目する必要がある。しかし、膵臓はほかの臓器と比べて構造が複雑であることから、間接所見の発見が難しいという課題がある。

 富士フイルムと神戸大学は、CT画像から膵臓がんの早期発見を支援するAI技術の開発を目指し、共同研究を進めてきた。今年4月には、腹部の造影CT画像から膵臓がんが疑われる所見を検出する技術を開発した。今回、約1000症例の非造影CT画像をAIに学習させ、膵臓がんの直接所見である腫瘤、間接所見である膵萎縮・膵管拡張を検出する技術の開発に成功した。これにより、非造影CT画像にも対応し、膵臓がんの検出を支援する技術の適用対象を拡大させた。

 今後、同技術の社会実装に向けた有効性検証を進める。さらに将来的には、膵臓がんが発生する前段階で見られる軽微な形状変化を検出し、リスク評価する技術の開発にも取り組む。これらの技術で潜在的な膵臓がん患者を拾い上げ、早期治療による予後の改善とQOL向上を目指していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る