テンポイノベーションは24年3月期2Q累計減益だが売上順調、通期増益予想据え置き

(決算速報)
 テンポイノベーション<3484>(東証プライム)は11月2日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。利益面は人件費や採用費の増加、転貸借物件数増加に対応するためのDX化など先行投資の影響で減益だったが、売上面は個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進し、転貸借物件数が増加して大幅増収と順調だった。そして通期増益予想を据え置いた。第3四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は9月の戻り高値圏から反落し、さらに地合い悪化も影響して水準を切り下げる形となったが、調整一巡感を強めている。目先的には第2四半期累計減益を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。

■24年3月期2Q累計は先行投資で減益だが、通期増益予想据え置き

 24年3月期第2四半期累計連結業績は、売上高が前年同期比16.3%増の70億98百万円、営業利益が5.3%減の5億25百万円、経常利益が3.9%減の5億58百万円、親会社株主帰属四半期純利益が4.3%減の3億81百万円だった。

 利益面は人件費や採用費の増加、転貸借物件数増加に対応するための営業管理システムのDX化など、先行投資の影響で減益だったが、売上面は個人・小規模飲食事業者の旺盛な出店需要に対応して店舗物件の積極的な仕入を推進し、転貸借物件数が増加して大幅増収と順調だった。

 セグメント別に見ると、店舗転貸借事業(子会社店舗セーフティーの店舗家賃保証事業を含む)は売上高が12.2%増の66億26百万円で営業利益が17.3%減の4億23百万円、不動産売買事業は売上高が139.1%増の4億72百万円で営業利益が135.0%増の1億02百万円だった。

 店舗転貸借事業の転貸借契約件数は4.5%増の234件、第2四半期末の転貸借物件数は2335件(前年同期比255件増加、23年3月期末比119件増加)となった。不動産売買事業では6物件を売却、6物件を取得して第2四半期末の保有物件数は6件となった。

 なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が34億10百万円で営業利益が2億44百万円、第2四半期は売上高が36億88百万円で営業利益が2億81百万円だった。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比13.6%増の148億44百万円、営業利益が5.3%増の12億76百万円、経常利益が3.2%増の13億06百万円、親会社株主帰属当期純利益が0.7%増の8億91百万円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の20円(期末一括)としている。連続増配で予想配当性向は38.2%となる。

 契約件数および転貸借物件数が順調に増加し、先行投資によるコスト増加を吸収して増益予想としている。契約件数は23年3月期比88件増の570件、期末転貸借物件数は311件増加の2527件の計画としている。第2四半期累計の進捗率は売上高48%、営業利益41%、経常利益43%、親会社株主帰属当期純利益43%だった。利益進捗率がやや低水準の形だが、第3四半期以降もストック収益が順調に積み上がる見込みであり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は調整一巡

 株価は9月の戻り高値圏から反落し、さらに地合い悪化も影響して水準を切り下げる形となったが、調整一巡感を強めている。目先的には第2四半期累計減益を嫌気する可能性もあるが下値限定的だろう。11月2日の終値は1094円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS52円37銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.8%、前期実績PBR(前期実績の連結BPS187円69銭で算出)は約5.8倍、そして時価総額は約193億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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