アルコニックスは24年3月期予想を下方修正、25年3月期回復期待
- 2023/11/8 09:41
- 決算発表記事情報
(決算速報)
アルコニックス<3036>(東証プライム)は11月7日の取引時間中に24年3月期第2四半期累計連結業績を発表した。自動車関連が回復基調となったものの本格回復に至らず、中国経済停滞によるスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減収・大幅減益だった。そして通期予想を下方修正した。経営環境について期初想定の「下期回復」を「来期以降の緩やかな回復」に修正した。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。株価はボックス展開の形だがレンジ下限から切り返しの動きを強めている。下方修正に対するネガティブ反応も限定的だった。指標面の割安感も評価材料であり、ボックスレンジから上放れの展開を期待したい。
■24年3月期2Q累計大幅減益で通期予想を下方修正
24年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比9.2%減の837億57百万円、営業利益が47.1%減の30億05百万円、経常利益が50.3%減の30億33百万円、親会社株主帰属四半期純利益が53.7%減の19億16百万円、EBITDA(参考)が32.0%減の53億24百万円だった。
自動車関連が回復基調となったものの本格回復に至らず、中国経済停滞によるスマホ関連を中心とする需要回復遅れ、コスト増加分の価格転嫁遅れなどにより減収・大幅減益だった。
セグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)は、商社流通の電子機能材がニッケル市況下落や二次電池材料取扱数量減少などで54.2%減の11億75百万円、商社流通のアルミ銅が市況下落や伸銅品取扱数量減少などで86.8%減の1億51百万円、製造の装置材料がコスト増加分の価格転嫁遅れなどで74.5%減の2億60百万円、製造の金属加工が新規連結効果で2.9%増の14億42百万円だった。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高が423億70百万円で経常利益が15億30百万円、第2四半期は売上高が413億87百万円で経常利益が15億03百万円だった。
通期連結業績予想(11月7日付で下方修正)は売上高が23年3月期比0.7%減の1770億円、営業利益が26.1%減の62億円、経常利益が24.2%減の62億円、親会社株主帰属当期純利益が23.2%減の42億16百万円、EBITDA(参考)が13.8%減の110億30百万円としている。配当予想は据え置いて23年3月期と同額の54円(第2四半期末27円、期末27円)としている。
期初予想に対して売上高を90億円、営業利益を22億円、経常利益を20億円、親会社株主帰属当期純利益を12億84百万円、それぞれ下方修正した。経営環境について期初想定の「下期回復」を「来期以降の緩やかな回復」に修正した。
修正後のセグメント別利益(セグメント間利益消去前経常利益)計画は、商社流通の電子機能材(期初予想に対して8億円上方修正)が19.5%減の29億円、商社流通のアルミ銅(同7億円下方修正)が82.9%減の2億円、製造の装置材料(同9億円下方修正)が29.9%減の7億円、製造の金属加工(同12億円下方修正)が0.7%減の24億円としている。
なお経常利益の四半期別推移を見ると、23年3月期第1四半期が42億51百万円、第2四半期が18億54百万円、第3四半期が15億45百万円、第4四半期が5億26百万円、24年3月期第1四半期が15億95百万円、第2四半期が15億03百万円で、23年3月期第4四半期がボトムとなっている。需要回復時期が後ズレする見込みとなったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益回復基調を期待したい。
■株価は切り返しの動き
株価はボックス展開の形だがレンジ下限から切り返しの動きを強めている。下方修正に対するネガティブ反応も限定的だった。指標面の割安感も評価材料であり、ボックスレンジから上放れの展開を期待したい。11月7日の終値は1366円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS139円89銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の54円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2075円25銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約424億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)