クリナップは24年3月期営業・経常微増益予想、配当予想を上方修正
- 2023/11/8 09:41
- 決算発表記事情報
(決算速報)
クリナップ<7955>(東証プライム)は11月7日の取引時間終了後に24年3月期第2四半期累計連結業績(10月31日付で下方修正)を発表した。大幅減益だった。新設住宅着工戸数や水まわりリフォーム市場の伸び悩みなどで売上高が想定を下回り、原材料・資材価格高騰、広告宣伝費・人件費増加なども影響した。通期予想(10月31日付で下方修正)は営業・経常微増益予想としている。引き続きプロモーション強化による拡販や原価低減を推進するとしている。なお配当予想については11月7日付で上方修正した。創業75周年記念配当を実施する。積極的な事業展開で25年3月期の収益拡大基調を期待したい。株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だが、10月31日付の下方修正に対するネガティブ反応は限定的だった。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。
■24年3月期2Q累計大幅減益、通期は営業・経常微増益予想
24年3月期第2四半期累計連結業績(10月31日付で売上高を5億円、営業利益を4億60百万円、経常利益を4億80百万円、親会社株主帰属当期純利益を3億50百万円それぞれ下方修正)は、売上高が前年同期比3.6%増の635億35百万円、営業利益が40.4%減の10億47百万円、経常利益が34.6%減の13億29百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が43.4%減の7億55百万円だった。
期初予想(売上高640億円、営業利益15億円、経常利益18億円、親会社株主帰属四半期純利益11億円)を下回り大幅減益だった。新設住宅着工戸数や水まわりリフォーム市場の伸び悩みなどで売上高が想定を下回り、原材料・資材価格高騰、広告宣伝費・人件費増加なども影響した。なお部門別の売上高は厨房部門が6.0%増の519億82百万円、浴槽・洗面部門が3.7%減の77億96百万円だった。
四半期別に見ると、第1四半期は売上高318億82百万円で営業利益4億83百万円、第2四半期は売上高316億53百万円で営業利益5億64百万円だった。
通期連結業績予想(10月31日付で売上高を23億円、営業利益を13億円、経常利益を14億円、親会社株主帰属当期純利益を10億円それぞれ下方修正)については、売上高が23年3月期比3.8%増の1287億円、営業利益が2.8%増の31億円、経常利益が1.1%増の36億円、親会社株主帰属当期純利益が8.9%減の23億円としている。配当予想(11月7日付で期末5円上方修正、創業75周年記念配当5円を実施)については、23年3月期比5円増配の31円(第2四半期末13円、期末18円=普通配当26円+創業75周年記念配当5円)としている。予想配当性向は49.7%となる。
引き続きプロモーション強化による高付加価値製品の拡販や原価低減を推進するとしている。24年3月期は下方修正となったが、積極的な事業展開で25年3月期の収益拡大基調を期待したい。
■株価は調整一巡
株価は地合い悪化も影響して上値を切り下げる形だが、10月31日付の下方修正に対するネガティブ反応は限定的だった。1倍割れの低PBRなど指標面の割安感も評価材料であり、調整一巡して出直りを期待したい。11月7日の終値は691円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS62円35銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想の31円で算出)は約4.5%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1514円13銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約259億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)