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【アナリスト水田雅展の銘柄分析】フライトHDは水準切り下げたが調整のほぼ最終局面、収益改善基調を評価して反発のタイミング
- 2014/10/30 07:17
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
システム開発や電子決済ソリューションのフライトホールディングス<3753>(東マ)の株価は、水準を切り下げて10月17日に年初来安値となる694円、終値でも702円まで調整した。ただしその後も終値では700円台を割り込まず下げ渋り感を強めている。調整のほぼ最終局面のようだ。収益改善基調を評価して反発のタイミングだろう。
フライトシステムコンサルティング(旧)が13年10月、持株会社に移行してフライトホールディングスに商号変更した。事業承継した子会社フライトシステムコンサルティング(新)が、システム開発などのコンサルティング&ソリューション(C&S)事業、電子決済ソリューションなどのサービス事業を展開している。
電子決済ソリューションの分野では、スマートデバイス決済専用マルチ電子決済端末「インクレディスト」およびスマートデバイス決済専用アプリケーション「ペイメント・マスター」の展開を強化している。専用アプリ「ペイメント・マスター」は10年9月に提供開始した国内初のBtoB向け決済ソリューションであり、特許出願中の機能も含めて大企業での管理に必要な機能を数多く搭載している。
14年9月には子会社フライトシステムコンサルティングとフォウカス(東京都新宿区)が、スマートデバイスを用いたモバイルPOS決済システムで協業すると発表した。フライトシステムコンサルティングの「ペイメント・マスター」や「インクレディスト」と、フォウカスのスマートデバイスを用いたPOSレジ&オーダーエントリーシステム「ポス・キューブ」を連携して、モバイルPOS決済システムを拡販する。
10月6日には、子会社フライトシステムコンサルティングのマルチ電子決済端末「インクレディスト」の導入事例として、ソフトバンクモバイルがiPadと「インクレディスト」を連携して、あらゆる接客業務をこなす新システムiPad版GINIEの大量導入を進め、PCを全廃して店舗業務を改革した事例を紹介している。
10月23日には企業向け情報処理サービスを展開するDRAGON TECHNOLOGY(名古屋市)の第三者割当増資を引き受けて子会社化(出資比率90%)し、同社の商号11月1日付でイーシー・ライダーに変更すると発表した。同社の事業の柱は自社開発のB2B/B2C向けECサイト構築パッケージソフト「イーシー・ライダー」を活用したASPサービス提供で、子会社フライトシステムコンサルティングとのシナジー効果が期待できるとしている。
今期(15年3月期)の連結業績見通しは前回予想(5月19日公表)を据え置いて、売上高が前期比9.9%増の21億円、営業利益が同11.6%増の2億円、経常利益が同8.6%増の1億80百万円、純利益が同7.8%増の1億64百万円としている。
C&S事業では法人向けソリューションの提案を強化し、マイナンバー制関連など下期から稼動の案件に対応する。サービス事業では電子決済ソリューション(マルチ電子決済端末「インクレディスト」および決済専用アプリ「ペイメント・マスター」)の拡販、前期に納品した大型案件の継続受注および保守対応を推進する。
第1四半期(4月~6月)は営業赤字だったが、前年同期のフライトシステムコンサルティングの実績との比較で見ると6.2%増収となり、営業利益、経常利益、純利益とも赤字幅が縮小した。収益は改善基調である。さらに下期(10月~3月)は「ペイメント・マスター」で他社ハードウェア向けライセンス供給拡大や、大手流通向けIC付きクレジットカード決済対応ソリューションの大型商談が寄与する見込みだ。通期ベースでは好業績が期待されるだろう。
株価の動きを見ると、10月7日に990円まで上伸する場面があったが、買いが続かず水準を切り下げて10月17日に年初来安値となる694円、終値でも702円まで調整した。ただしその後も終値では700円台を割り込まず下げ渋り感を強めている。調整のほぼ最終局面のようだ。
10月29日の終値714円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS17円34銭で算出)は41倍近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS59円06銭で算出)は12倍近辺である。週足チャートで見ると13週移動平均線が戻りを押さえる形だが、調整のほぼ最終局面で反発のタイミングだろう。