■遺伝子治療事業への本格参入により、ヘルスケア領域の飛躍的成長を目指す
味の素<2802>(東証プライム)グループは13日、米国の遺伝子治療薬CDMO Forge Biologics社を約828億円で買収することを発表した。Forge社は、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを用いた遺伝子治療薬の開発・製造を行う先進的な企業である。味の素グループは、これまで培った技術・顧客を基盤として、次世代の事業領域に進出することで、付加価値の高い事業モデルへの転換を進め、ヘルスケア領域の成長加速と高収益化を推進するとしている。
Forge社は、2020年に設立された新興の遺伝子治療薬CDMOである。同社は、プラスミドDNAの製造からAAVベクターの製造、臨床試験用の遺伝子治療薬の製造まで、一貫したサービスを提供することができる。また、自社のパイプラインとして、神経変性疾患や代謝性疾患などの遺伝子治療薬の開発も行っている。Forge社は、遺伝子治療薬の市場規模が2025年には約1兆円に達すると予測される中、高い成長性を有すると考えられる。
味の素グループは、Forge社の買収により、遺伝子治療薬の開発・製造に関するノウハウと設備を取得するとともに、Forge社の顧客との関係を強化することができる。また、Forge社の自社パイプラインとのシナジーも期待できる。味の素グループは、Forge社の買収を通じて、遺伝子治療薬という新たなモダリティーに本格的に参入し、ヘルスケア領域の飛躍的な成長を目指すとしている。本買収は、2023年12月に実行を予定しており、当社の当期の連結業績に与える影響は軽微であるという。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)