■工期短縮と省人化も実現
大林組<1802>(東証プライム)は17日、神奈川県中郡大磯町のR3西湘海岸岩盤型潜水突堤整備工事において、新たに設置する潜水突堤の一部に、大型構造物としては国内で初めて、3Dプリンターで製作したプレキャスト(PCa)部材を適用したと発表。この部材は、砂浜を侵食から守るための海岸保全施設の一部であり、3次元的に滑らかに変化する形状を持つ。
従来の工法では、この部材を多数のPCaパネルで構成する必要があり、重量や組み立て作業などの課題があった。そこで、大林組は、建設用3Dプリンターを用いて外殻をつくり、自社開発の高強度・高靭性のモルタル材料「スリムクリート」を内部に充填する独自の工法により、PCaブロックを製作した。この工法により、重量を約50%削減し、安全性と施工品質の向上を実現するとともに、工場で製作したブロックを現場で海中に据え付けることで、工期短縮と省人化も実現した。
大林組は、複雑なデザインや強度・耐久性を備えた構造物を実現できるセメント系材料を用いた3Dプリンター建設の研究をさらに進め、今後も安全・安心なインフラの構築に貢献していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)