モルフォはAI動画要約技術『Morpho Video Summary』提供開始、AIが膨大な動画データを要件に応じて要約

■要件に合わせてAIが必要なシーンを抽出しデータ容量を軽減

 モルフォ<3653>(東証グロース)は20日、ドライブレコーダー等で撮影した動画をAIが適切に要約する技術『Morpho Video Summary』(※1)を11月20日から提供を開始すると発表。AIが、膨大な動画データから適切なシーンのみを抽出し、データ容量の軽減を実現し、業務効率化に貢献する。

 ドライブレコーダー等の車載カメラによる動画は、事故等の証拠のみならず、道路の点検業務から、高度運転支援/自動運転技術の実現に向けた技術開発等まで幅広く活用されている。一方で、自動車メーカー/関連企業は、業務や技術開発に用いるための動画データを大量に保有しているが、データ量が膨大なため、維持コストが大きくなることや、確認のため工数がかかるという課題を抱えている。

 こうした背景から、モルフォはAIを活用して動画データを要約する『Morpho Video Summary』を開発した。

■Morpho Video Summaryの特長

 一言で動画を要約すると言っても、顧客アプリケーションによってその要件は大きく変わる。道路の点検アプリケーションでは道路に異常(ひび割れ等)が見られるシーンを優先度高く残したいケースや、自動運転技術の開発では車両や人物が映っているシーンを中心に収集したいケース等、最終的な動画の用途によって求められる要約のルールは全く異なる。

 そこで『Morpho Video Summary』では、用途に合わせてユーザーが細かく要約ルールを設定するための多彩な動画解析エンジンを提供。例えば、「走行シーン検出エンジン」は、動画の中で自車が走行中のシーンを割り出すことができる。これにより、動画の中で自車が赤信号で停車しているシーン(画面に変化の少ないシーン)をカットするという要約ルールを作成することができる。また、他の多彩な検知エンジンでの動画解析結果を組合せてエンジンごとに重み付け(優先順位付け)を行い、用途に合わせた複雑な要約ルール設定が実現可能。

■用意している代表的なエンジン

・走行シーン検知
・車両、通行人、信号機、二輪車シーン検知
・道路劣化シーン検知
※他のエンジンも続々実装中

 『Morpho Video Summary』では、こうした要約ルールをユーザーが視覚的に分かりやすく作成するための、専用GUI(※2)を提供している。こうして作成した要約ルールを保存しておき、以降はバッチ処理(※3)で全動画に適用するといった運用も可能。

 また、『Morpho Video Summary』は、2023年5月に提供開始した自動車分野向けAIソリューションパッケージ『Morpho Automotive Suite』の標準AI技術群に追加した。AI技術を単体で提供するだけではなく、顧客ニーズにフィットするAIの追加学習や用途別の製品カスタマイズ等の提案を通じて、自動車分野における課題解決および顧客製品への付加価値の向上に貢献していく。

※1:製品名『Morpho Video Summary』は仮称。
※2:GUIは「Graphical User Interface」の略。アイコンやボタン等のグラフィックを使い、マウスなどのポインティングデバイスで直感的に操作できる画面のこと。
※3:バッチ処理は、一定期間/一定量のデータを集め、一括処理を行うこと。

●展示会出展のお知らせ

 「“くるまからモビリティへ”の技術展2023ONLINE」において、『Morpho Video Summary』を紹介する。

・会期:2023年11月27日(月)〜12月15日(金)
・入場料:無料(完全登録制)
(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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