【マーケットセンサー】新NISAで注目の株式分割銘柄と証券株

■株式分割銘柄は業績上方修正や増配など好材料が多く、新規資金の受け皿になる可能性

 来年1月からスタートする新NISA(少額投資非課税制度)関連で、この12月31日を基準日に株式分割を実施する銘柄が注目されている。株式分割は投資単位当たりの金額を引き下げ、投資しやすい環境を整える効果がある。新NISAでは非課税枠が拡大され、今後5年間でNISA総口座は現在の1700万口座から3400万口座へ、買付額も28兆円から56兆円に拡大させることが目標になっている。この新規流入する投資マネーの受け皿となる可能性が高いのが、株式分割銘柄である。

 12月末割り当てで株式分割を発表する銘柄は、この11月に入って21銘柄に達する。そのなかで特に注目すべきは、株式分割だけでなく、業績上方修正や増配、自己株式取得などの好材料を同時発表したフルセット銘柄である。出光興産<5019>(東証プライム)は、株式分割(1株を5株に分割)とともに今3月期業績の上方修正、実質増配、自己株式取得、中期経営計画の目標業績の引き上げまでを発表した。株価は年初来高値まで約20%高したが、PERは6.6倍、PBR0.7倍、配当利回りは3.6%となお割安である。あらた<2733>(東証プライム)、京都フィナンシャルグループ<5844>(東証プライム)、マブチモーター<6592>(東証プライム)、三菱商事<8058>(東証プライム)などもフルセット銘柄として見逃せない。

■証券株は大和証券の自己株式取得をきっかけにリード役に浮上、証券インフラ企業も見逃せない

 一方、ダークホースとして証券株も浮上している。新NISAの普及に伴い、証券会社の収益も増加するとの期待が高まっている。大和証券グループ本社<8601>(東証プライム)は、V字回復した今期第2四半期累計業績と自己株式取得を発表して年初来高値まで買い進まれており、リード役となりそうだ。野村ホールディングス<8604>(東証プライム)、東海東京フィナンシャル・ホールディングス<8616>(東証プライム)、極東証券<8706>(東証プライム)、アイザワ証券グループ<8708>(東証プライム)、丸三証券<8613>(東証プライム)なども証券株の候補として挙げられる。また、証券インフラ企業として日本証券金融<8511>(東証プライム)、日本取引所グループ<8697>(東証プライム)、三井住友トラスト・ホールディングス<8309>(東証プライム)も注目される。新NISAで注目の株式分割銘柄と証券株をチェックしておきたい。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る