【注目銘柄】日本電技は最高純益肉薄の業績上方修正を見直し割安株買いが再燃

■半導体設備投資関連で空調計装事業が好調

 日本電技<1723>(東証スタンダード)は、このところ上値抵抗線となっていた75日移動平均線上抜きを試す勢いを示ている。同社株は、11月2日に今2024年3月期の第2四半期(2023年4月~9月期、2Q)累計決算の開示とともに、3月期通期業績の上方修正を発表したが、材料出尽くしとして下値を探る展開が続いていたが、その上方修正で今期純利益が、過去最高に肉薄することや半導体設備投資関連の一角に位置する業態が見直され割安株買いが再燃した。テクニカル的にも、このもみ合い場面で25日移動平均線が、75日移動平均線を下抜くデッドクロス(DC)を示現する悪形チャートとなったが、その後5日移動平均線が25日移動平均線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、側面支援材料視されている。

■工場関連や首都圏再開発の大型新設物件向けに空調計装事業が好調推移

 同社の今3月期業績は、期初予想より売り上げを15億円、営業利益と経常利益は各2億円、純利益は1億円それぞれ引き上げ、売り上げ365億円(前期比6.4%増)、営業利益47億5000万円(同5.5%増)、経常利益48億5000万円(同5.1%増)、純利益33億円(同4.2%増)と増収増益率の拡大を見込み、純利益は、2021年3月期の過去最高(33億2400万円)に肉薄する。空調計装関連事業の売り上げが想定を上回ったことが要因で、2Q累計業績の同事業の売り上げは139億5600万円(前年同期比41.7%増)、セグメント利益は31億3400万円(同78.8%増)となった。半導体向けを含む工場関連や首都圏再開発の大型新設物件が好調に推移したことが要因となった。

 年間配当は、期初予想通りに160円(前期実績152円)を予定しているが、資本政策の基本方針を変更し、従来の配当性向の目安の30%前後をDOE(連結株主資本配当率)4%を基準とすることに変更したことに従い連続増配幅を拡大予定である。また今年7月には自己株式立会外買付取引(買付価格4655円)の株主還元策も実施した。

■ミニGC示現でPER10倍、PBR1倍、配当利回り3.7%の修正に弾み

 株価は、今期第1四半期のV字回復業績と自己株式立会外買付取引のダブル効果で年初来高値4845円まで買い進まれ、世界的な株価波乱のなか4000円台を試す下値調整が続き25日線が75日を下抜くDCを示現し、今期通期業績の上方修正でも材料出尽くし感を強め4145円と下ぶれた。その安値からは売られ過ぎとしてリバウンドし5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは10.2倍、PBRは1.09倍、配当利回りは3.75%と割安であり、立会外買付取引価格4655円の奪回で弾みをつけ年初来高値に再挑戦しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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