(決算速報)
ベステラ<1433>(東証プライム)は12月8日の取引時間終了後に24年1月期第3四半期累計連結業績を発表した。受注の増加、大型進行基準工事の順調な進捗、M&Aによる新規連結効果などにより大幅増収増益だった。通期予想は据え置いて黒字転換(23年1月期は赤字)を確保する見込みとしている。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く安値圏でモミ合う形だが調整一巡感を強めている。第3四半期累計業績を評価して出直りを期待したい。
■24年1月期3Q累計大幅増収増益、通期黒字転換予想据え置き
24年1月期第3四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比51.7%増の58億62百万円、営業利益が1億円(前年同期は7百万円)、経常利益が2.7倍の2億12百万円、親会社株主帰属四半期純利益が6.0倍の1億01百万円だった。
受注の増加、大型進行基準工事の順調な進捗、M&Aによる新規連結(オダコーポレーション、およびその子会社のTOKEN)効果などにより大幅増収増益だった。
解体・メンテナンス事業(24年1月期第3四半期より、従来のプラント解体事業を名称変更)の売上高は53.4%増の56億80百万円、営業利益(全社費用等調整前)が46.9%増の9億12百万円だった。
完成工事高の業界別構成比は電力が14%、製鉄が32%、石油・石化が33%、ガスが2%、3Dが2%、環境が13%、その他が4%(前年同期は電力が13%、製鉄が26%、石油・石化が27%、ガスが5%、3Dが3%、環境が15%、その他が11%)だった。第3四半期累計の受注工事高は88.0%増の106億98百万円で、第3四半期末の期末受注残高は83億70百万円となった。受注残高の業界別構成比は電力が18%、製鉄が49%、石油・石化が28%、環境が3%、3Dが1%、その他が1%(前年同期は電力が10%、製鉄が11%、石油・石化が63%、ガスが5%、環境が7%、その他が4%)となっている。
その他事業(人材サービス事業など)の売上高は12.7%増の1億82百万円、営業利益が67.3%増の59百万円だった。
なお四半期別に見ると、第1四半期は売上高が15億37百万円で営業利益が35百万円の損失、第2四半期は売上高が17億91百万円で営業利益が26百万円の損失、第3四半期は売上高が25億34百万円で営業利益が1億61百万円だった。
通期の連結業績予想は、前回予想(23年9月8日付で売上高を上方修正、各利益を下方修正)を据え置いて、売上高が23年1月期比46.6%増の80億円、営業利益が2億10百万円(23年1月期は2億15百万円の損失)、経常利益が2億86百万円(同94百万円の損失)、親会社株主帰属当期純利益が1億95百万円(同64百万円の損失)としている。配当予想は据え置いて23年1月期と同額の20円(第2四半期末10円、期末10円)としている。予想配当性向は90.7%となる。
各利益とも黒字転換(23年1月期は赤字)を確保する見込みとしている。老朽化プラント解体工事の増加などで中期的に事業環境は良好であり、積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。
■株価は調整一巡
株価は反発力が鈍く安値圏でモミ合う形だが調整一巡感を強めている。第3四半期累計業績を評価して出直りを期待したい。12月8日の終値は1000円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS22円05銭で算出)は約45倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS493円97銭で算出)は約2.0倍、そして時価総額は約90億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)