■配当政策の変更や権利付き最終日が近い銘柄が有望
年末・年始相場における高配当銘柄の動向を分析する。金利低下や金価格上昇の影響で、高配当利回りランキングの上位に入る銘柄が注目される。特に、配当政策の変更により増配や高配当を続ける銘柄や、権利付き最終日が近い銘柄が有望だ。また、リユース株や産金株、貴金属リサイクル株も金価格上昇で好波及が期待できる。以下、それぞれの銘柄の特徴と見通しを紹介する。
■増配・高配当銘柄がランキング上位に
高配当利回りランキングの上位には、不動産関連株や建設関連株が多く見られる。これらの銘柄は、業績の下方修正や特設注意銘柄の指定などのネガティブな要因があっても、配当は据え置きや増配とすることで株主還元を重視している。配当性向や総還元性向を引き上げる配当政策の変更により、安藤・間<1719>(東証プライム)や神戸製鋼所<5406>(東証プライム)などの銘柄は、年間配当利回りが5%を超える高水準となっている。低PER・PBRも魅力的な要因だ。
また、12月27日に権利付き最終日が迫る12月期決算銘柄や6月期決算銘柄で中間配当の実施を予定している高配当銘柄も要注目だ。ミズホメディー<4595>(東証スタンダード)や日本たばこ産業<2914>(東証プライム)などの銘柄は、配当利回りが5%以上と高く、債券投資の所有期間利回り的感覚で物色される可能性がある。
■金価格上昇でリユース株から産金株、リサイクル株へ
金先物価格上昇関連では、リユース株や産金株、貴金属リサイクル株が好波及を受けると見られる。リユース株は、金先物価格上昇に円安も加わって国内金小売り価格が過去最高を更新し、貴金属の買い取り・再販、ブランド品の商流拡大が見込まれるためだ。
コメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)やメルカリ<4385>メルカリ<4385>(東証プライム)などの銘柄は、月次売上高が連続プラスとなり、「適温相場」展開が期待される。産金株は、金価格上昇に伴い、金の採掘・精錬・販売を行う銘柄が恩恵を受けると考えられる。中外鉱業<1491>(東証スタンダード)や住友金属鉱山<5713>(東証プライム)などの銘柄は、金の生産量が多く、金価格の変動に敏感だ。貴金属リサイクル株は、金やプラチナなどの貴金属を回収・精製・販売する銘柄で、金価格上昇により利益率が改善すると見込まれる。アサカ理研<5724>(東証スタンダード)や松田産業<7456>(東証プライム)などの銘柄は、貴金属リサイクルの国内トップクラスのシェアを持ち、業績の安定性も高い。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)