■マイナス金利解除への思惑
13日午前の外国為替市場のドル円相場は145円台半ばで限られた動きとなっている。米国の金融政策会合の結果を待っているため、ドル・円をはじめとする主要通貨ペアの取引は様子見が続いている。ドル・円は145円19銭から145円60銭の間で上下しており、145円台半ばではドル買いの注文がドルの下落を抑えている。
日本銀行の植田和男総裁は、国会で「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になる」と発言した。これはマイナス金利の早期解除に向けた政策転換の合図と受け止められ、国債、為替、株式市場が乱高下した。植田総裁は岸田文雄総理と会談し、金融政策の基本的な考え方を説明したという。
一方、米国の景気は地力の強さを示している。11月の雇用は予想を上回り、失業率や平均時給も改善した。利上げは収束し、利下げの時期が議論されているが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は「時期尚早」と牽制した。
日本の景気は7~9月期にマイナス成長となり、インフレ率が賃上げを上回って消費を圧迫している。外需も中国の景気低迷により不振だ。企業決算では、インフレの価格転嫁が進む企業と進まない企業の二極化が見られる。日銀の「チャレンジング」は、そんな状況でどこに向かうのか、注目される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)