【どう見るこの株】GENDAは3Q好決算でM&Aの高成長戦略を買い直す

■ゴールデンクロスで上昇トレンド転換、ゲームセンター新規出店とM&Aで業績拡大

 GENDA<9166>(東証グロース)は、前日13日に193円高の2479円と急反発して引けた。東証グロース市場の売買代金ランキングで第5位の大商いのなか、値上がり率ランキングでも第5位と高人気化した。12月11日に発表した今2024年1月期第3四半期(2023年2月~10月期、3Q)決算が、今年11月20日に上方修正した今1月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに、同社のビジネスモデルであるM&Aによる高成長戦略を見直し下値買いが増勢となった。テクニカル的にも、25日移動平均線で下値を確認しその25日線が75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆していることが、買い手掛かりとなっている。また国内中堅証券が、同社株の投資判断を最上位の「A」、目標株価を2900円として新規にカバーを開始したことも、側面サポートした。

■新旗艦店など早期の新規出店完了と今期10件のM&Aが業績押し上げ

 同社の3Q業績は、売り上げ388億円、営業利益41億6400万円、経常利益41億2600万円、純利益33億2400万円となった。今年7月28日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、3Q決算は初作成となるため前年同期比較はないが、上方修正された今1月期通期予想業績に対する利益進捗率は、82%~83%と目安の75%を上回った。今期計画した国内13店舗のゲームセンターなどのアミューズメント施設の新規出店をすでに10月までに達成し、9月に新規出店した新旗艦店「GiGO総本店」(東京都豊島区)が計画を上回る来店客となるなどが高稼働し、11月20日に発表した一気の4件分を含めて上半期に合計10件のM&Aを積極推進しその一部寄与があったことなどが要因となった。今1月期通期業績は、11月30日の上方修正値を据え置き売り上げ530億円(前期比14.9%増)、営業利益50億円(同24.6%増)、経常利益41億8000万円(同35.7%増)、純利益40億円(同14.4%増)と見込んでいる。

 一方、M&Aによる成長戦略は、2040年に世界一のエンタメ企業を目指すビジョン(野望)に基づき積極推進している。国内ゲームセンター市場は、上位5社合計でも市場シエアが4割超にとどまり寡占化が進まず、中小規模のゲームセンターが100社超にも及んでおり、M&Aの余地があるためだ。「GiGO」の年間10店舗の新規出店に加えてM&Aによる店舗網拡大を進める。今年11月20日には映画配給会社のギャガ(東京都港区)など4件のM&Aを発表するなど今期は10件を実施し、IPO以前の11件を含めて21件となる。この今期10件のM&Aによる業績の影響度は、今期は売り上げで27億円、営業利益で1000万円のプラスだが、来期は同130億円、8億円に高まるとしている。

■GC示現で「半値戻しは全値戻し」に弾みをつけ最高値奪回にチャレンジ

 株価は、公開価格1770円でIPOされ公開価格を下回る1637円で初値をつけ、同初値から2日連続のストップ高を交えて2537円と急伸し、この反動安値1800円から上場来高値3285円まで買い進まれた。同高値からは、時価総額が東証グロース市場の上位に位置する主力株として東証グロース市場の人気離散で下値を探る動きが続いたが、
相次ぐM&Aの発表のたびに高値反応し、11月20日の今期業績の上方修正、4件のM&A発表ではストップ高して2758円の戻り高値をつけGCを示現し、3Q好決算とともに戻り高値を射程圏に捉えた。ヒストリカル的にもこの戻り高値は、上場来高値3285円からその後の10月30日安値1755円までの調整幅の半値戻し水準となっており、戻り高値抜けから相場格言の「半値戻しは全値戻し」の通りに最高値奪回にチャレンジしよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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