マーチャント・バンカーズは24年10月期大幅黒字転換・増配予想

(決算速報)
 マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)は12月14日の取引時間終了後に23年10月期(決算期変更で7ヶ月決算)連結業績を発表した。計画を下回り営業・経常赤字(当期純利益は黒字)での着地となった。不動産売却益が計画を下回ったことに加え、計画を上回るペースで賃貸用不動産の取得を実行したため物件取得に係る費用が計画以上に発生したことなども影響した。ただし24年10月期(12ヶ月決算)は大幅黒字転換・増配予想としている。目標として掲げている年間賃貸料収入10億円体制を達成する見込みだ。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。株価は安値圏でのモミ合いから上放れの形となって基調転換の動きを強めている。増配も評価して上値を試す展開を期待したい。

■23年10月期(7ヶ月決算)赤字だが24年10月期は大幅黒字転換予想

 23年10月期(決算期変更に伴う経過期間で4月~10月の7ヶ月決算)の連結業績は、売上高が15億38百万円、営業利益が13百万円の損失、経常利益が84百万円の損失、親会社株主帰属当期純利益が98百万円だった。配当は復配で1円とした。

 前回予想(8月10日付の修正値、売上高15億50百万円、営業利益2億90百万円、経常利益1億70百万円、親会社株主帰属当期純利益3億40百万円)を下回り、営業・経常赤字(当期純利益は黒字)での着地となった。不動産売却益が計画を下回ったことに加え、計画を上回るペースで賃貸用不動産の取得を実行したため物件取得に係る費用が計画以上に発生したこと、コンプライアンス体制強化のために外部専門家に支出した費用が想定を上回ったことなども影響した。

 マーチャント・バンキング事業は売上高が14億60百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が1億82百万円だった。賃貸用不動産を新たに7物件取得して賃料収入が増加したが、不動産売却益(賃貸用不動産2物件売却)が計画を下回り、不動産取得税などの取得費用が想定以上に増加した。オペレーション事業は売上高が78百万円、利益が0百万円だった。子会社ケンテンのアパレル・雑貨等販売プロモーション事業の回復が遅れた。

 24年10月期(12ヶ月決算)の連結業績予想は、売上高が30億円、営業利益が6億円、経常利益が4億円、親会社株主帰属当期純利益が2億60百万円としている。配当予想は23年10月期比1円増配の2円(期末一括)としている。

 マーチャント・バンキング事業の計画は売上高が16億50百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が4億10百万円としている。あと1~2物件の賃貸用不動産取得により目標として掲げている年間賃貸料収入10億円体制を達成する見込みであることに加え、保有する賃貸用不動産の売却については最低3物件の売却を見込んでいる。オペレーション事業の計画は売上高が1億20百万円、利益が15百万円としている。子会社ケンテンのアパレル・雑貨等販売プロモーション事業の回復を見込んでいる。

 24年10月期は大幅黒字転換・増配予想としている。積極的な事業展開で収益改善基調を期待したい。

■株価はモミ合いから上放れて基調転換

 株価は安値圏でのモミ合いから上放れの形となって基調転換の動きを強めている。増配も評価して上値を試す展開を期待したい。12月14日の終値は349円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS8円88銭で算出)は約39倍、今期予想配当利回り(会社予想の2円で算出)は約0.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS137円64銭で算出)は約2.5倍、そして時価総額は約103億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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