【箱崎幸也の健康増進実践法】大腸がん検診の勧め

■大腸がんは女性にとって大敵、先ずは検便を

ドクター箱崎幸也の健康増進実践法前月まで膵臓がんや糖尿病の膵疾患ついて説明させていただきました。今月は、現在女性にとって最も大敵な大腸がんについてお話します。

2013年度のがん死亡数は364,872例(男性216,975、女性147,897)で、男性:女性=3:2でした。女性は男性の約2/3の人しか癌にならないことからも、女性の長寿の原因がここにもあります。長寿女性で最も多いのが、大腸がんです。女性では40歳代では乳がんや子宮がんが多く、高齢になるほどその割合は減少し大腸がん(次いで肺がん、胃がん)が増加します。男性では大腸がんは、肺がん・胃がんに次いで3位です。

大腸がんは乳がんと同様に発育速度が比較的ゆっくりであり、進行し末期状態になるまで数年の期間があります。この期間内に検診を受けて頂ければ、例え進行がんでも限局していれば手術後に天寿を全うできます。しかし肺や肝転移があれば、手術や抗がん剤などで時間だけでなくお金も多大に費やすことになります。

我が国はがん検診の先進国ですが、大腸がん検診対象者の約30~40%しか受診していません。2013年度全国で約600万人が受診し約43万人(7%)が要精検とされ、そのなかから大腸がんが約9,700例(0.16%)発見されています。しかし要精検とされ二次検診の大腸内視鏡検査を受ける人は、60%程度にとどまっています。一次検診の便を2日間提出するだけの比較的簡便な検査から、二次検診はまる1日から2日間を費やす全大腸内視鏡検査とのギャップが大きいのが問題です。この大変さが、大腸内視鏡検査の受診率を妨げています。過去にお腹の手術を受けた方や痩せた女性は、大腸内視鏡検査中かなりの苦痛があるのも事実です。現在大腸内視鏡器機も進歩し、以前検査で苦痛を感じ二度と嫌だと思っている方も、ぜひ大腸内視鏡検査の病院やクリニックの扉を開けて下さい。その前にまずは、一次スクリーニングの2日間の便潜血検査に参加して下さい。(医師・箱崎幸也=元気会横浜病院々長、元、自衛隊中央病院消化器内科部長)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る