■自社と業界のギャップが浮き彫りに
東京商工リサーチは18日、2024年の業績予想や債務状況に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。約6割の企業が自社業界の倒産が増えると予想しており、取引先や同業者への警戒感が高まっている。一方、自社の債務が過剰であると回答した企業は1年前より5.0ポイント減少し、24.8%となった。また、私的整理手続きの利用可能性は4.7%と半年前より1.1ポイント低下した。
2024年の業績予想は、最多は売上と利益が横ばいの29.2%で、次いで増収増益の21.4%、減収減益の14.6%となった。業種別では、コロナ禍の影響が大きかった生活関連サービス業や娯楽業が増収増益の割合が高く、映像・音声・文字情報制作業や貸金業などが減収減益の割合が高かった。
アンケート結果は、自社の業績や債務への見通しは決して暗くないことを示しているが、倒産増加への警戒感が取引萎縮や与信コストの増加に繋がる可能性があることに注意が必要だ。自社と取引先や同業者の評価に差が生じており、着実な経済活動の活性化には為替の安定や物価高の解消など外部環境の整備も急務である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)