■製造業が半数近く、サプライチェーンの分断や資金繰りの悪化が懸念される
ダイハツ工業の品質不正問題で、取引先6000社以上が影響を受ける可能性がある。東京商工リサーチの調査によると、ダイハツ工業グループと直接・間接に取引のある企業は全国で6084社に上る。製造業が半数近くを占め、大企業から中小・零細企業まで幅広い。生産停止が長期化すれば、サプライチェーンの分断や資金繰りの悪化など、深刻な打撃を受ける恐れがある。
■トヨタ自動車の完全子会社、25の試験項目で174個の不正行為を発表
同社は12月20日、ドアトリムの不正だけでなく、25の試験項目で174個の不正行為があったことを発表した。自社開発の自動車の出荷や生産を停止し、国内の生産再開時期は未定だ。ダイハツ工業はトヨタ自動車の完全子会社で、主要子会社は5社、連結子会社は60社に及ぶ。2023年3月期の単体業績は売上高1兆4930億円、当期純利益770億円だった。
同社の品質不正問題は、自動車業界にとどまらず、様々な周辺業種にも影響を及ぼす可能性がある。運送業や建設業、飲食店など、ダイハツ工業グループとの関係が深い業種は特に注意が必要だ。コロナ禍で業績が回復途上の企業は、生産停止の余波で資金繰りが逼迫する恐れがある。ダイハツ工業は、支援や補償体制を早急に整える必要がある。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)