【株式評論家の視点】アドアーズは中期経営計画でROE8%目指す、利回り2.4%と投資魅力

株式評論家の視点

アドアーズ<4712>(JQS)は、主力の総合エンターテインメント事業のほか、不動産事業・商業建築事業、介護事業を展開している。本年5月20日付の中期経営計画では2018年3月期売上高330億円、経常利益14億円、ROE8%の目標達成に向け、介護事業の基盤構築、アミューズメント事業における施設運営だけでなく、アニメコンテンツ等を活かした総合アミューズメント事業への業容拡大を大きな施策の柱として、各事業毎に成長戦略を着実に実行することで目標達成を目指している。

アミューズメント事業では、アニメコンテンツ等の活用・開発による総合アミューズメント事業の確立を目指しているほか、トラストの活動基盤を活かしたアミューズメント施設の海外展開を図っている。不動産事業・商業建築事業では、各種施策による収益拡大、Jトラストの事業基盤を活かした、日本基準の住宅等の東南アジアでの展開を図っている。介護事業では、課題解決を目的とする2つの施策「施設利用者の拡大」と「介護人材の獲得・育成」の実施による事業基盤の確立、同社グループの目指す一体型介護サービスの展開を図っていたが、8月11日に連結子会社の異動(株式譲渡)及び介護事業の休止ならびに特別損失の計上を発表。日本介護福祉グループが連結子会社でなくなるため、中期経営計画から同社の計画が外れることから、現在、中期経営計画への影響について精査中としている。

今2016年3月期・第1四半期業績実績は、売上高54億7400万円(前年同期比3.7%減)、営業利益1100万円(同3億6000万円)、経常損益2400万円の赤字(同3億3100万円の黒字)、最終損益9億3500万円の赤字(同2億5000万円の黒字)に着地。

通期業績予想は、売上高220億円(前期比6.0%減)、営業利益8億円(同20.4%増)、経常利益7億円(同26.8%増)、最終損益1億1000万円の赤字(同4億6100万円の黒字)を見込んでいる。年間配当は期末一括2円継続を予定している。

株価は、2月19日につけた年初来の高値145円から8月25日に年初来の安値71円と調整。その後、下値圏でモミ合っている。秋の臨時国会以降の成立を目指すカジノ法案関連銘柄であり、配当利回り2.4%と利回り妙味がソコソコある水準に位置している。中期経営計画の見直しが公表されれば、仕切り直しの展開が期待される。ここからの押し目は中長期的な視点で注目したい。(株式評論家&アナリスト・信濃川)

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