【注目銘柄】コーセルは昨年来高値に肉薄、業績上方修正・増配を見直しハイテクバリュー株買い

■GCを示現して上昇トレンド転換を示唆

 コーセル<6905>(東証プライム)は、前日17日に30円高の1373円と反発して引け、取引時間中には1388円まで買われる場面があり昨年9月19日につけた昨年来高値1400円に肉薄した。昨年12月20日に発表した今2024年5月期業績の上方修正と増配を見直し、純利益が、17期ぶりに過去最高を更新することを手掛かりにハイテクバリュー株買いが再燃した。テクニカル的にも25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、フォローの材料視されている。

■部品材料の入手難が改善し受注残解消に増産対応

 同社の今5月期業績は、期初予想より売り上げが20億3000万円、営業利益が10億9600万円、経常利益が18億2900万円、純利益が11億5700万円それぞれ引き上げられ売り上げ400億3000万円(前期比13.5%増)、営業利益64億8800万円(同31.7%増)、経常利益73億100万円(同38.4%増)、純利益50億200万円(同58.2%増)と連続の大幅増収増益が見込まれ、純利益は、過去最高の40億1900万円(2007年5月期)を17期ぶりに更新する。同社の業績は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な感染爆発)によるサプライチェーン問題で半導体などの部品材料不足がネックとなって業績低迷が続いていたが、この入手難が改善して受注残を解消する増産対応を進めていることが要因となった。スイッチング電源は、半導体製造装置向けはまだ調整局面にあるが、FA(ファクトリーオートメーション)や医用機器向けが好調に推移し、価格改定、円安・ドル高進行も加わったことも寄与した。

 配当は、昨年11月の今5月期第2四半期(2023年6月~11月期、2Q)累計業績の上方修正の発表時に中間配当を期初予想の18円から27円に増配し、同12月の今期通期業績の上方修正では同時に期末配当を同20円から26円に引き上げ、年間配当を53円(前期実績32円)に増配し、連続増配幅を拡大させる。

■GC示現でPER9倍、PBR0.9倍、配当利回り3.8%の割安修正に拍車

 株価は、今期第1四半期業績の大幅続伸業績に反応して昨年来高値1400円をつけ、今期2Q累計業績の上方修正でも1271円と反応したものの1200円台固めが続き、今期通期業績の上方修正と増配で1388円と買い直され昨年来高値に肉薄した。25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆しており、PER9.0倍、PBR0.99倍、配当利回り3.86%の割安修正からも昨年来高値抜けから次の上値フシとして2018年1月高値1999円を目指そう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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