ゼリア新薬工業は24年3月期3Q累計大幅増益で通期利益予想を超過達成

(決算速報)
 ゼリア新薬工業<4559>(東証プライム)は2月1日の取引時間終了後に24年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。医療用医薬品事業、コンシューマーヘルスケア事業とも伸長し、費用増加を吸収して大幅増益だった。そして通期利益予想を超過達成した。不透明感を考慮して通期会社予想を据え置いたが、上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は底打ちして徐々に下値を切り上げている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。

■24年3月期3Q累計大幅増益で通期利益予想を超過達成

 24年3月期第3四半期累計(23年4月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比12.0%増の579億19百万円、営業利益が11.0%増の94億90百万円、経常利益が35.7%増の94億44百万円、そして親会社株主帰属四半期純利益が40.8%増の84億23百万円だった。

 医療用医薬品事業、コンシューマーヘルスケア事業とも伸長し、費用増加を吸収して大幅増益だった。なお営業外費用では為替差損が14億85百万円減少した。前年同期は急激なスイスフラン高の影響で為替差損を16億28百万円計上したが、当期は期中の為替変動が緩やかだったため為替差損の計上が比較的少額だった。また特別利益には契約解除損失引当金戻入額9億55百万円を計上した。

 医療用医薬品事業は売上高が15.8%増の375億48百万円で、営業利益(全社費用等調整前)が11.4%増の89億52百万円だった。潰瘍性大腸炎治療剤アサコールは国内が薬価改定の影響で苦戦したが、海外市場において高用量製剤アサコール1600mgを中心に伸長した。クロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤ディフィクリアは、海外市場において営業リソースを積極投入して売上拡大した。国内においても23年4月にアステラス製薬から製造販売承認を承継(国内販売名ダフクリア)し、製品普及を推進している。炎症性腸疾患(IBD)治療剤エントコート(国内販売名ゼンタコート)は、海外の一部の国における後発医薬品の上市の影響を受けて苦戦した。フェインジェクトについては産婦人科・消化器科領域を中心に市場構築を推進している。

 主要製品の売上高は、アサコールが8.0%増の158億82百万円、ディフィクリアが63.4%増の100億92百万円、エントコートが8.3%減の39億10百万円、アコファイドが0.5%増の23億84百万円、その他が7.4%増の52億78百万円だった。

 コンシューマーヘルスケア事業は売上高が5.6%増の202億55百万円で、営業利益が4.4%増の41億84百万円だった。行動規制緩和や人流回復により医薬品ヘパリーゼ群・コンビニエンスストア向けヘパリーゼW群とも売上が拡大した。コンドロイチン群も積極的な広告宣伝投資の効果で好調だった。23年4月に第2類医薬品に移行した月経前症候群(PMS)治療薬プレフェミンをはじめとする西洋ハープ群、歯周病・口臭対策用薬用歯みがきマスデント群も伸長した。

 主要製品の売上高は、ヘパリーゼ群が13.0%増の87億73百万円、コンドロイチン群が5.8%増の44億52百万円、ウィズワン群が1.0%増の9億72百万円、その他が3.0%減の60億56百万円だった。

 その他(保険代理業・不動産賃貸収入)は、売上高が2.3%増の1億15百万円で、営業利益が5.2%増の1億88百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高183億04百万円、営業利益29億70百万円、経常利益33億55百万円、第2四半期は売上高183億74百万円、営業利益23億57百万円、経常利益21億40百万円、第3四半期は売上高212億41百万円、営業利益41億63百万円、経常利益39億49百万円だった。第3四半期は売上高、営業利益、経常利益とも大幅伸長した。

 通期の連結業績予想は据え置いて、売上高が23年3月期比6.8%増の730億円、営業利益が0.9%増の91億円、経常利益が18.7%増の90億円、親会社株主帰属当期純利益が13.0%増の70億円としている。配当予想は23年3月期比4円増配の44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。予想配当性向は27.7%となる。

 医療用医薬品事業は海外市場におけるアサコールやディフィクリアの伸長で増収、コンシューマーヘルスケア事業はヘパリーゼ群やコンドロイチンの売上増加などで増収を見込んでいる。利益面は営業利益が研究開発費の増加などを考慮して微増益、経常利益と親会社株主帰属当期純利益が2桁増益予想としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高79%、営業利益104%、経常利益105%、親会社株主帰属当期純利益120%で、各利益は通期予想を超過達成している。不透明感を考慮して通期会社予想を据え置いたが、上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

■株価は戻り試す

 株価は底打ちして徐々に下値を切り上げている。好業績を評価して戻りを試す展開を期待したい。2月1日の終値は2042円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS158円80銭で算出)は約13倍、今期予想配当利回り(会社予想の44円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1484円79銭で算出)は約1.4倍、そして時価総額は約1085億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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