ソフトクリエイトホールディングスは24年3月期3Q累計大幅増収増益、通期は再上振れの可能性

(決算速報)
 ソフトクリエイトホールディングス<3371>(東証プライム)は2月1日の取引時間終了後に24年3月期第3四半期累計連結業績を発表した。大幅増収増益だった。ECソリューション事業、ITソリューション事業とも順調に拡大し、コスト増加を吸収した。そして通期も大幅増収増益予想(23年10月24日付で上方修正)としている。第3四半期累計の進捗率が高水準であり、クラウドサービスの収益が積み上がる収益構造なども勘案すれば、通期会社予想に再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は小幅レンジでモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。好業績を評価してモミ合いから上放れの展開を期待したい。

■24年3月期3Q累計大幅増収増益、通期は再上振れの可能性

 24年3月期第3四半期累計連結業績は売上高が前年同期比16.3%増の207億71百万円、営業利益が20.5%増の40億72百万円、経常利益が21.1%増の43億23百万円、親会社株主帰属四半期純利益が24.3%増の26億25百万円だった。

 大幅増収増益だった。ECソリューション事業、ITソリューション事業とも順調に拡大し、コスト増加を吸収した。経常利益(前年同期比+7.6億円)の増減要因分析は、売上総利益増加で+12.2億円、人件費増加で▲1.0億円、採用費・研修費増加で▲0.3億円、広告費増加で▲1.1億円、研究開発費増加で▲0.4億円、その他経費増加で▲1.8億円としている。

 ECソリューション事業は売上高が16.8%増の115億82百万円で利益(全社費用等調整前経常利益)が14.5%増の31億51百万円だった。主力のECサイト構築ecbeingをはじめ、各事業が好調に推移した。売上高の内訳はECサイト構築が11.1%増の76.9億円、デジタルマーケティングが27.9%増の26.8億円、ECクラウドサービスが35.4%増の12.1億円だった。

 ITソリューション事業は、売上高が15.6%増の91億89百万円で、利益が2.4%増の20億36百万円だった。利益面ではPC買替需要によるIT機器販売増加や先行投資などの影響で利益率が低下したが、売上面は順調に拡大した。売上高の内訳はセキュリティ・インフラ構築が14.4%増の44.9億円、ITパッケージが2.6%減の12.9億円、ITクラウドサービスが19.1%増の16.8億円、IT機器が34.3%増の17.3億円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が66億54百万円で経常利益が13億55百万円、第2四半期は売上高が71億98百万円で経常利益が14億97百万円、第3四半期は売上高が69億19百万円で経常利益が13億81百万円だった。

 通期連結業績予想は前回予想(23年10月24日付で上方修正)を据え置いて、売上高が23年3月期比14.2%増の277億02百万円、営業利益が17.5%増の50億79百万円、経常利益が18.1%増の53億円、親会社株主帰属当期純利益が13.2%増の31億円としている。

 ECソリューション事業、ITソリューション事業とも伸長し、人件費や広告費などの増加を吸収する見込みだ。売上高の計画はECソリューション事業が15.2%増の153億円、ITソリューション事業が13.1%増の124億円としている。経常利益(前年同期比+8.2億円)の増減要因分析(見込み)は、売上総利益増加で+15.8億円、人件費増加で▲2.6億円、採用費増加で▲1.0億円、広告費増加で▲2.0億円、その他経費増加(税金等)で▲2.0億円としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高75%、営業利益80%、経常利益82%、親会社株主帰属当期純利益85%と高水準あり、さらにクラウドサービスの収益が積み上がる収益構造なども勘案すれば、通期会社予想に再上振れの可能性があり、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。

 なお配当予想は、23年10月24日付の上方修正値(第2四半期末9円、期末9円、合計18円上方修正)を据え置いて48円(第2四半期末24円、期末24円)としている。23年4月1日付の株式2分割を遡及修正すると23年3月期の25円に対して23円増配(4期連続増配)で、予想配当性向は38.9%となる。配当性向目標を従来の30%から40%に引き上げて大幅増配予想としている。

■株価は上値試す

 株価(23年4月1日付で株式2分割)は小幅レンジでモミ合う形だが煮詰まり感を強めている。好業績を評価してモミ合いから上放れの展開を期待したい。2月1日の終値は1756円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS123円52銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の48円で算出)は約2.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS600円51銭で算出)は約2.9倍、そして時価総額は約484億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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