■リーマン・ショック後2番目の多さも100社に届かず
2023年の国内株式市場は、円安やデフレ脱却への期待、米国の利上げ終了の示唆などで好調に推移し、日経平均株価は年間で28.2%上昇した。このなかで、新規株式公開(IPO)社数は前年から5社増えて96社となり、リーマン・ショック後2番目に多い水準となった。しかし、100社には届かず、リーマン・ショック前の水準には回復していない。
帝国データバンクが集計・分析した調査結果によると、IPO社数のうち、7割近くが「東証グロース」に上場した。業種別では、「情報サービス」がトップで、AIやDX支援事業を手掛ける企業が目立った。IPO企業の設立から上場までの平均期間は17.8年と長期化し、社長の平均年齢は51.6歳と若い傾向が続いた。また、IPO企業の6割がスタートアップ企業であり、「インパクトIPO」も複数件みられた。さらに、IPO企業の3年後の売上高が1.5倍以上となる可能性が高い企業割合は全体の約7倍に達した。
2024年のIPO市場は、地政学的な不安要因や投資マネーの勢いの弱さなどで厳しい状況が予想されるが、IPOのルール変更や国内株式市場の堅調さなどが追い風となることが期待される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)