【注目銘柄】ゼロは昨年来高値更新、輸送料金改定で連続増益業績・増配を手掛かりバリュー株買い増勢

注目銘柄

 ゼロ<9028>(東証スタンダード)は、前日7日に39円高の1619円と4営業日続伸して引け、取引時間中には1659円まで買われ、今年2月5日につけた昨年来高値1595円を更新した。今年1月に輸送料金の改定を実施したことを手掛かりに今2024年6月期業績が、連続増益で純利益が過去最高に迫り、配当も連続増配を予定していることを手掛かりに割安修正期待のバリュー株買いが増勢となった。テクニカル的にも、25日移動平均線が、75日移動平均線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、サポート材料視されている。

■国内自動車輸送台数が好調に推移し派遣ドライバー数も増加

 同社の今6月期業績は、売り上げが121億円(前期比8.9%減)と減収転換するが、営業利益が52億円(同2.5%増)、経常利益が52億円(同2.4%増)、純利益が35億円(同1.8%増)と連続増益が予想され、純利益は、2021年6月期の過去最高(36億2600万円)へ肉薄する。海外事業では、自動車メーカー各社の増産、輸出拡大で自動車運搬専用船の船枠が限られ、同社のマレーシア向けの中古車輸出台数が制限されるマイナスはあるものの、自動車関連事業では主力の車両輸送事業で中古車登録・販売台数の回復で中古車輸送の受託台数が増加し、ヒューマンリソース事業でも、ドライバーの派遣人数が増え、自動車のEV(電気自動車)化に対応し最大積載重量を引き上げた新型輸送機材「Zモデル」を継続導入していることなども要因となる。配当は、年間51.9円(前期実績51円)に連続増配を予定している。

 昨年11月に発表した今期第1四半期(2023年7月~9月期、1Q)業績は、中古輸出台数の減少やトラックドライバーの残業時間が規制される「2024年問題」に対応する新規採用の拡大などの人件費増などから減収減益で着地したが、期初の今期通期予想業績は据え置いた。今年1月からは慢性的な乗務員不足に対応する新規採用や新型輸送機材導入のために輸送料金を改定しており、東洋経済会社四季報最新号など一部で純利益の過去最高更新も観測されているだけに今後の業績寄与が期待される。

■GC示現でPER7倍、PBR0.8倍の修正に弾みをつけ2017年高値を意識

 株価は、今期業績の続伸・連続増配予想で1569円高値をつけ、その後の調整安値1286円からはオークション構内輸送会社のM&Aで1400円台へリバウンドし、今年1月の輸送料金改定とともに昨年来高値1659円まで上値を伸ばし25日線が75日線を上抜くGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。昨年来高値更新でもPERは7.7倍、PBRは0.82倍、配当利回りは3.20%と割安であり、次の上値フシとして2017年8月高値1819円を意識しよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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