Lib Workが「3Dプリンターハウス」の開発を加速、新株発行などで11億円規模の資金を調達
- 2024/2/10 19:55
- IR企業情報
■住宅事業のエリア・顧客層・販売形態拡大、財務基盤の強化などめざす
Lib Work<1431>(東証グロース)は2月9日、第2四半期決算と新株式の発行、売出し、並びに主要株主の異動などを発表した。戸建住宅の『ハウステック・カンパニー』として、地盤の九州地区から関東地区にも事業を拡大。新株式の発行などにより調達する資金は約11億円の見込みで、「3Dプリンターハウス」の開発に最も重点をおいて中期計画の達成に向けた成長投資に充当するとした。
第2四半期の連結決算(2023年7~12月・累計)は、23年11月に公表した従来予想に対して営業利益が56.9%上回るなど大幅増益の好決算だった。
■インショップ型のモデルハウス拡充なども推進
新株発行(公募による新株式発行:一般募集)は普通株式60万株で、払込金額は24年2月20~26日の間のいずれかの日に決定する予定。また、公募による自己株式の処分(一般募集)は普通株式70万株。株式の売出し(引受人の買取引受けによる売出し)は普通株式43万株。さらに、需要に応じてオーバーアロットメント方式による売出しを最大25万9500株用意する。これにともない、岡三証券を割当先として同株数(25万9500株)の第三者割当による新株式発行を行う。
これらにより調達する資金の手取概算額は11億61万1600円(合計、上限)になる見込み。調達した資金の使途は、以下の5項目などとした。
①3Dプリンターを活用した住宅施工に向けた研究開発費並びに事業運営費として、2026年6月期までに2億6230万円
②関東及び九州圏内におけるインショップ型(商業施設内の区画に原寸大のモデルハウスを建築)店舗における建築費用として、2026年6月期までに2億4000万円
③マイホームロボの事業運営費として、2026年6月期までに1億5000万円
④財務基盤の強化を目的に金融機関からの借入金の返済資金として、2025年6月期に2億1360万円
⑤福岡県内の販売用不動産の購入資金として、2025年6月期に1億2410万円
■職人の高齢化、人材不足など建設業界の課題解決にイノベーション
同社グループは、2023年8月に新たな中期経営計画を公表し、26年3月期において売上高285億円(24年6月期の見込みは170億円)、営業利益30億円(度5.9億円)を新たな目標とし、同計画の基本方針として以下の3点を掲げている。
(1)戸建プラットフォーマーへ加速化(さまざまな住宅ソリューションサービスを全国の工務店・ビルダーに提供していく)
(2)戸建住宅事業におけるエリア・顧客層・販売チャネルの拡大と利益率の改善・拡大(住宅版SPAモデルの再構築)
(3)「家」を再定義する―未来の家をつくる―(3Dプリンターハウスの開発・販売)
今回の資金調達は、上記の基本方針に則り中期経営計画で掲げた目標達成に向けて、必要な投資を行うためのものだが、中で最も重点をおいているのは3Dプリンターハウスの開発。シドニーのオペラハウスをはじめ、パリのポンピドゥー・センター、中国の北京国家体育場などの世界有数の建築物の構造設計を手掛けたオーヴ・アラップ・アンド・パートナーズ ジャパン・リミテッド一級建築士事務所と22年に業務委託契約書を締結し、建設用3Dプリンターを活用した3Dプリンターハウスの研究開発を進めている。その成果として、24年1月には、3Dプリンターハウスのプロトタイプ第1号である「Lib Earth House」が完成した。
今回の資金調達により、3Dプリンターハウスの更なる研究開発スピードの加速及び規模拡大のための投資を行い、早期の実販売に繋げていく狙いがある。これにより、戸建住宅建築に係る大幅なコストの削減、工期の短縮に貢献できるほか、大工をはじめとする職人の高齢化をはじめとする人材不足といった建設業界全体が抱える主要な課題を解決することに繋がるため、大きなイノベーションになるとしている。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)