【株式市場特集】日経平均の最高値更新に向けて注目の3点セット銘柄を徹底分析
- 2024/2/13 08:29
- 特集
■「エヌビディア、みんなで買って腕比べ」として3点セット銘柄をスクリーニング
日経平均株価が、いまにもあの1989年12月の史上最高値3万8915円を奪回する勢いを強めているなかでは、日米両市場でマーケットをリードするのは米国の画像処理半導体トップのエヌビディアに率いられる半導体関連などのハイテク株で、まずこれをフォローするのがファースト・チョイスの投資スタンスだろう。ただそうした強調相場でも値上がり銘柄数の値下がり銘柄数のウエートが高いために尻込みし高値で振るい落とされるのではないかと懸念している投資家は、少ないない。やや慎重派の投資家向けには、トップランナーの「エヌビディア祭り」追随のセカンド・チョイスとしてこの3点セット銘柄にも目配りする投資スタンスも浮上しそうだ。そこで今週のコラムは、「エヌビディア、みんなで買って腕比べ」として3点セット銘柄をスクリーニングしてお届けすることにした。
■株式分割組も自己株式取得組も低PER・PBR、高配当利回りとバリュー株妙味
3点セットの22銘柄の内訳は、自己株式取得・上方修正・増配組が9銘柄、自己株式消却・上方修正・増配組が2銘柄、株式分割・上方修正・増配組が9銘柄となっており、やや異例なのが業績上方修正・増配にM&Aが加わった関西ペイン<4613>(東証プライム)と株式分割と増配、M&Aを同時発表の南陽<7417>(東証スタンダード)となる。このうち自己株式取得組は、東証が要請しているPBR倍に未達の銘柄が多く、低PER、高配当利回りの値ごろ妙味のあるバリュー株が中心である。低PER株を割安株順にあげるとPER5倍台の佐藤商事<8065>(東証プライム)を筆頭にサクサホールディングス<6675>(東証スタンダード)、日本カーバイド工業<4064>(東証プライム)、フクダ電子<6960>(東証スタンダード)がベストフォーで、フクダ電子のPERは14倍台である。配当利回りも、サクサHDの4・92%がトップで佐藤商事が3.96%、カイーバイドが3.25%と3%台に乗る。自己株式消却の東京ガス<9531>(東証プライム)も、PER9倍台、PBR0.78倍の評価にしか過ぎない。
株式分割組は、値がさ株が多く投資しやすい環境を整え流動性を高めるのが株式分割も目的となっているが、低PER株も少なくない。PER8倍台の黒崎播磨<5352>(東証プライム)、南陽<7417>(東証スタンダード)のほか、9倍台のSANKYO<6417>(東証プライム)、東亜建設<1885>(東証プライム)、10倍台の朝日工業社<1975>(東証プライム)、12倍台の東テク<9960>(東証プライム)と続く。SANKYOと朝日工業社の配当利回りは4%台に乗せる。朝日工業社は、3点セット発表翌日の前週末9日に急反落したが、3月末割り当ての株式分割の権利取りへ逆張り余地も大きそうだ。また前週末9日取引時間終了後に株式分割を発表した川田テクノロジーズ<3443>(東証プライム)と共立メンテナンス<9616>(東証プライム)は、まだマーケットの評価を受けていないが、3点セット銘柄であり、とくに川田テクノロジーズは、PER7倍台、PBR0.5倍、配当利回り4.03%とバリュー株妙味を示唆している。
■12月期決算会社では4点セット銘柄も目立ち下方修正銘柄も見直し余地
準3点セット銘柄といえるのが、12月期決算会社で発表した前12月期業績が上ぶれ着地し自己株式取得、増配を発表した5銘柄である。このうちタムロン<7740>(東証プライム)は、株式分割、増配、自己株式取得の4点銘柄で、セントラルフォレストグループ<7675>(名証メイン)と応用地質<9755>(東証プライム)は3点セット銘柄である。前週末9日大引け後に決算を発表したザ・パック<3950>(東証プライム)は、さらに中期経営計画の目標業績の上方修正が加わった4点セット銘柄で、アシックス<7936>(東証プライム)は自己株式取得、業績上方修正、増配の3点セットとなっている。
下方修正3点セット銘柄では、業績下方修正にもかかわらず配当を増配し自己株式取得を発表したベクトル<6058>(東証プライム)、ニデック<6594>(東証プライム)が該当し、清水建設<1803>(東証プライム)は、業績下方修正・減配のダブルショックとなったが、自己株式取得と有価証券倍売却益を前向きに評価し株価は、前週末9日に反発した。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)