イトーキは24年12月期2桁増益予想、株主還元強化方針
- 2024/2/15 09:59
- 決算発表記事情報
(決算速報)
イトーキ<7972>(東証プライム)は、2月13日の取引時間終了後に23年12月期連結業績を発表した。大幅増益で過去最高業績となり、配当予想を大幅に増額した。各事業が伸長し、提供価値の向上による利益率改善も寄与した。そして24年12月期も2桁増益・大幅増配予想としている。なお新中期経営計画を発表し、株主還元を強化(配当性向目標引き上げ、株主優待制度新設、自己株式取得)する方針とした。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は好業績や株主還元強化方針を評価して急伸している。上値を試す展開を期待したい。
■23年12月期大幅増益着地、24年12月期2桁増益・大幅増配予想
23年12月期の連結業績は、売上高が22年12月期比7.8%増の1329億85百万円、営業利益が86.0%増の85億23百万円、経常利益が104.8%増の85億55百万円、親会社株主帰属当期純利益が11.5%増の59億05百万円だった。配当(23年8月7日付で期末7円上方修正、2月13日付で期末10円上方修正)は22年12月期比5円増配の42円(期末一括)とした。22年12月期の37円には特別配当20円が含まれているため、普通配当ベースでは25円増配との形となる。配当性向は32.2%となる。
大幅増益で過去最高業績となり、配当予想を大幅に増額した。各事業が伸長し、提供価値の向上による利益率改善も寄与した。営業利益+39億円の要因分析は、売上増加に伴う利益増加+35億円、売上総利益率改善(構造改革による粗利益改善、カタログ価格改定・販売価格適正化など)+29億円、販管費増加(DX推進のためのIT基盤強化、業績連動賞や採用強化等の人的資本投資、戦略的増改修)▲30億円、物流費減少(構造改革プロジェクトによる物流サービス収益力強化)+5億円としている。なお特別利益では22年12月期に計上した固定資産売却益69億11百万円が剥落した。
ワークプレイス事業は、売上高が9.7%増の942億57百万円で、営業利益が137.6%増の61億28百万円だった。ハイブリッドな新しい働き方にあわせたリニューアル案件やオフィス移転案件を中心に好調だった。増収効果や提供価値の向上による利益率改善などにより大幅増益だった。
設備機器・パブリック事業は、売上高が3.3%増の368億39百万円で、営業利益が28.6%増の19億06百万円だった。博物館・美術館の展示ケースやデジタルサイネージ等の公共施設向け設備の需要が好調に推移した。増収効果に加えて、提供価値の向上による利益率改善なども寄与した。
IT・シェアリング事業は、売上高が7.7%増の17億49百万円で、営業利益が1.1%減の4億44百万円だった。システム開発・検証事業が堅調に推移した。
なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が369億65百万円で営業利益が47億77百万円、第2四半期は売上高が312億25百万円で営業利益が22億25百万円、第3四半期は売上高が286億67百万円で営業利益が1億77百万円、第4四半期は売上高が361億28百万円で営業利益が13億44百万円だった。年度末に当たる第1四半期の構成比が高い季節特性がある。
24年12月期連結業績予想は売上高が23年12月期比3.4%増の1375億円、営業利益が17.3%増の100億円、経常利益が16.9%増の100億円、親会社株主帰属当期純利益が18.5%増の70億円としている。配当予想は23年12月期比10円増配の52(期末一括)としている。予想配当性向は36.1%となる。
セグメント別の計画は、ワークプレイス事業の売上高が5.0%増の990億円で営業利益が30.5%増の80億円、設備機器・パブリック事業の売上高が0.4%増の370億円で営業利益が4.9%増の20億円としている。
引き続き需要が堅調に推移し、増収効果や提供価値の向上による利益率改善などにより2桁増益・大幅増配予想としている。新中期経営計画の初年度として重点戦略を推進する方針だ。積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は急伸
株価は好業績や株主還元方針強化を評価して急伸している。上値を試す展開を期待したい。2月14日の終値は1767円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS144円12銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の52円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1210円96銭で算出)は約1.5倍、そして時価総額は約807億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)