【狙い場・買い場】多木化学は化学肥料の老舗、今期業績に上振れの可能性、PBR0.6倍
- 2015/9/25 11:38
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多木化学<4025>(東1)は、ミニゴールデンクロスを示現。通期業績上ブレ期待に加え割安感があり注目したい。
同社は、化学肥料のパイオニアとしてアグリ事業を運営しているほか、化学品事業、不動産事業も運営している。今2015年12月期度を初年度とする「第11次中期3カ年経営計画」(P130R)をスタートさせ、基盤事業の収益力強化、成長事業の積極的拡大、経営基盤の強化、コンプライアンスの強化を経営戦略とし、企業の継続的発展と企業価値の向上を図っている。
今15年12月期第・2四半期業績実績は、売上高172億3900万円(前年同期比0.4%減)、営業利益13億8400万円(同21.3%増)、経常利益15億3200万円(同24.0%増)、純利益9億9200万円(同26.6%増)に着地。
通期業績予想は、売上高340億円(前期比0.2%増)、営業利益17億5000万円(同2.0%減)、経常利益19億円(同3.7%減)、純利益12億円(同5.8%減)を見込んでいる。年間配当は期末一括13円継続を予定している。
第2四半期(4-6月)では機能性材料が、セラミック繊維向け高純度塩基性アルミ塩やスマートフォンなどに使用される高純度金属酸化物などの販売数量が増加し好調。第2四半期累計の営業利益は年計画に対する進捗率が79%と順調に推移しており、通期業績予想の上ブレも視野に入る。
株価は、3月13日につけた年初来の高値750円から9月7日に年初来の安値660円まで調整を挟んで上昇。今回の独フォルクスワーゲンが排ガス規制を逃れるため、ディーゼル車に不正なソフトウエアを搭載していた問題に絡んで、多木化学の手がける40%尿素液が、排ガスのNOx除去を目的とする脱硝装置に還元剤として、従来のアンモニアに代わって使用されていることがクローズアップされる可能性がある。また、環太平洋経済連携協定(TPP)関連の側面が下支え、今期予想PER12倍台・PBR0.68倍と割安感があり、押し目買い優位に上値を試すか注目したい。