【株式市場特集】敗者復活戦に挑む木材関連株と地震関連株、上昇基調に乗るチャンス
- 2024/2/26 08:23
- 特集
■新型コロナウイルス感染症や能登半島地震の影響で業績悪化した銘柄が反発
今週の当コラムでは、株価が急伸した木材関連株と地震関連株に注目する。これらの銘柄は、新型コロナウイルス感染症や能登半島地震の影響で業績が悪化し、株価が低迷していたが、最近になってストップ高を連発した。その背景には、花粉症対策や復旧・復興需要などの材料があるとみられる。日経平均株価が上昇基調にあるなか、これらの銘柄は、底上げ・キャッチアップのチャンスを掴むことができるのだろうか。
■木材株はスギ人工林伐採の花粉症関連を材料に急伸2銘柄を追撃可能性
花粉症関連の木材株は、PERが10倍割れ、PBRが1倍割れのバリュー株のオンパレード、「宝の山」である。そのなかで山大、テーオーHDのように業績的に苦戦している銘柄は、ノダ<7879>(東証スタンダード)、セブン工業<7896>(東証スタンダード)、ウッドワン<7898>(東証スタンダード)で、PBR1倍割れと有配株であることで安値で持ちこたえており、セブン工業は、先行2銘柄と同様にやや動意付いている。このほかの関連株も、業績が減益推移している銘柄が大半だが、そのなかで配当利回りが3%以上になる銘柄は住友林業<1911>(東証プライム)、OCHIホールディングス<3166>(東証スタンダード)、シオリーブグループ<3157>(東証スタンダード)、ナイス<8089>(東証スタンダード)、北恵<9872>(東証スタンダード)、JKホールディングス<9896>(東証スタンダード)と続く。南海プライウッド<7887>(東証スタンダード)は、希少な業績上方修正銘柄で昨年来高値追いとなっており、順張り余地を示唆している。
スギ人工林伐採の林業機械・木工機械株では、業績が増益ペースで推移し低PER・PBR銘柄が目立ち、このうち配当利回りが高い銘柄は、4・03%の太平製作所<6342>(東証スタンダード)以下、やまびこ<6250>(東証プライム)、キクカワエンタープライズ<6346>(東証スタンダード)と続き、キクカワエンターの配当利回りは3.28%となる。本家本元の花粉症関連株では、子会社の鳥居薬品が免疫療法の舌下錠を展開するJT<2914>(東証プライム)、花粉飛散量情報のウェザーニューズ<4825>(4825>(東証プライム)、目薬のロート製薬<4527>(東証プライム)、参天製薬<4536>(東証プライム)、マスクのユニ・チャーム<8113>(東証プライム)などがシーズン・ストック人気を高めよう。
■能登半島地震の災害損失で下方修正の4銘柄はそれぞれの個別事情で動意孕む
能登半島地震の被災により今期業績の下方修正を発表した銘柄は、日本ゼオン<4205>(東証プライム>、オリンパス<7733>(東証プライム)、平和堂<8276>(東証プライム)、北陸ガス<9537>(東証スタンダード)などである。また川本産業<3604>(東証スタンダード)は、業績そのものの下方修正はなかったものも、被災の復旧費用や原料、資材の評価損などで5000万円の特別損失を計上した。ただそれぞれの株価は、この業績修正とともに急落したが、各個別材料をテコに下値確認からリバウンドを窺うなど動意を孕んできた。平和堂は、石川・富山・福井県に展開しているスーパーや外食店舗が被災しこの災害損失11億円などが業績下方修正要因となったが、これと同時に株式分布状況の改善などを目的とした株式売り出しを発表して下げに拍車をかけた。ただ信用売り残が、359万株と積み上がる信用好需給となっており、この売り方の動向が今後の株価ポイントとなりそうだ。
オリンパスは、被災地に工場はないものの、同社の内視鏡の部材供給のサプライヤーの生産が停止し、これに伴う減産による一時的な売り上げ減少が約240億円に達するとして下方修正した。これに対して2月19日にはAI(人工知能)搭載の内視鏡画像診断支援ソフトウエアの発売を発表して、株価はAI人気を強めて急伸し業績下方修正による急落分以上に上値を伸ばしている。日ゼオンは、2回目の業績下方修正となるが、純利益は、有価証券売却益の計上で増益転換は維持し、PERは10.3倍、PBRは0.81倍、配当利回りは3.07%と下げ過ぎを示唆している。北陸ガスも、昨年11月に続き災害損失2億円の計上による2回目の業績上方修正を発表し赤字転落し株価は下ぶれたが、昨年11月の1回目の業績下方修正時の窓を開けた急落に比べれば軽微にとどまっており、底値確認のシグナルとなりそうだ。川本産業は、前記の花粉症関連のマスク株の一角に位置しており、関連株人気の波及も期待されよう。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)