イトーキ、人的資本投資の一環として過去最高となる5.34%の賃上げを実施

■「従業員のエンゲージメント向上へ」、賃上げと人材育成に注力

 イトーキ<7972>(東証プライム)は3月12日、人的資本投資の一環として、過去最高となる5.34%の賃上げを実施(※1)すると発表。さらに、特別慰労金や教育訓練費への投資、人事制度の抜本的見直し等により、人的資本経営をさらに加速させていく。

※1:株式会社イトーキクレビオと株式会社イトーキが統合した2005年以降

■賃上げ実施の背景

 労働人口の減少等による人手不足が加速する中、同社では売上高、営業利益に加え従業員エンゲージメントスコアを経営の重要指標の一つとして掲げ、インターナルコミュニケーションの強化などの施策を実施してきた。その結果、2023年度は従業員の会社に対する「誇り」や「魅力」において10ポイント以上上昇(前年比)するなどの効果が表れてきている。今回、従業員がより活き活きと働くことができる環境の実現に向け、ベースアップ等を実施し、人的資本経営をさらに加速していく。

■過去最高となる5.34%の賃上げを実施し、特別慰労金を支給

 2024年4月から、過去最高となる5.34%の賃上げ(※1)を実施する。さらに2024年3月に、全従業員へ近年の物価上昇などを考慮した特別慰労金を支給する。

※1 基本給のベースアップと定期昇給の合計値

【教育訓練費への投資や人事制度改革で、人的資本経営をさらに加速】

■一人当たりの教育訓練費を約2倍に増額

 同社では、2022年より強制参加型の研修数を削減し、従業員が自らのスキルやキャリアプランに応じて参加できる選択型研修、階層別研修、年代別のキャリアデザイン研修を導入。2023年度は従業員一人当たりの教育訓練費を約2倍(2021年度比)に増額、研修実施数を1.6倍(前年比)に増加させ、リスキリングを含む社員のスキル向上を目指してきた。その結果、選択型研修の応募者数は2.1倍(前年比)に増加している。本年度は将来の会社経営を担う次世代育成のカリキュラムを追加するなど、更なる拡充を予定している。

■人事制度改革を実施

 働き方や職種ニーズなの変化に対応していくため人事制度の抜本的な見直しを実施し、2024年1月から新制度での運用を開始した。新制度の基本方針は「Professional」「Pay for Performance」「Retention」。専門職でも管理職と同等の待遇が見込める上級職層の新設や、相対評価の考えを取り入れた評価制度への変更などにより、専門性の高い人材の育成強化や、貢献度の高い従業員がより活き活きと働くことができる環境を整備していく。

■女性活躍やグローバル人材育成を目指すコミュニティ活動も拡充

 同社では、女性がリーダーシップを発揮するための知識・スキルを習得したり、継続的なキャリアデベロップメントをサポートするコミュニティ「SPLi」を2022年3月に、言葉や考え方、習慣の違いなどのあらゆる壁を越え、「自主的に、相互に学び、グローバルに活躍できる人材に育つ」ためのプラットフォーム「ITOKI Global Initiative “API”」を2023年4月に発足。SPLiは女性従業員の17.4%が参加しており、今後もメンバーや活動内容を拡大し、従業員の主体的なスキルアップ向上につなげていくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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