【編集長の視点】アイリッジは2番底から反発、独自ビジネスモデルを再評価して直近IPO株人気が再燃

編集長の視点

アイリッジ<3917>(東マ)は、50円高の3110円と反発して始まり、9月25日につけた2番底3005円からの再騰展開に弾みをつけている。同社のスマートフォンを使って実店舗への集客をサポートするO2O(オンラインtoオフライン)ビジネスの独自性や高実績・成長可能性、さらに今7月期業績の連続過去最高更新予想を再評価して下げ過ぎ訂正期待の買い物が再燃しており、今年7月16日の新規株式公開(IPO)時に公開価格1200円に対して6350円で初値をつけ、初値倍率5.3倍が、今年のIPOではトップの初値倍率となった軽快な値動き、値幅効果の再現期待も、直近IPO株買いにつながっている。

■利用ユーザー数は前期に1000万人も増加し最高業績を連続更新

同社株は、初値を6350円でつけたあと即ストップ高し、上場来高値7830円まで買い進まれたが、セオリー通りの高値調整で上場来安値2765円と売られたが、下げ過ぎとしてまたもストップ高を交えてIPO以来の調整幅の3分の1戻しをクリアする4470円までリバウンドした。この戻り高値では、全般相場の急落が波及して再度の下値確認となり、3000円台で2番底を固めてきた。

この高初値倍率や値動きの軽さ、値幅効果は、同社の独自ビジネスモデルの先進性や成長可能性を評価していることが要因となっている。同社のO2Oビジネスは、インターネット上のwebサイトやアプリを通じて消費者に情報を提供し実店舗への集客や販売促進につなげる最先端のマーケティングソリューションで、同社は、この位置連動プッシュ通知ASP「popinfo」の提供をフィーチャーフォン時代の2009年11月にスタートさせ、2010年7月にはスマートフォンにも対応、大手小売・不動産、大手銀行、大手私鉄を中心に300アプリ超に導入され、スマートフォンアプリの利用ユーザー数は2015年7月現在で2400万人を突破した。

このため業績も高成長、2010年7月期の売り上げ2700万円は、前2015年7月期には7億4400万円と大きく伸びた。今2016年7月期業績も2ケタの増収増益を予想、売り上げ11億円(前期比47.7%増)、経常利益2億円(同85.1%増)、純利益1億3300万円(同85.0%増)と連続して過去最高を更新する。利用ユーザー数が前期に1000万人増加し、同ユ-ザー数に応じた従量制を取っている取引先の「popinfo」のサービス利用料などが、継続取引先、新規取引先向けに伸びることなどが寄与する。

■25日線から8%超のマイナスかい離となお下げ過ぎを示唆し再底上げ期待

株価は、上場来安値2765円で一番底、3005円安値で2番底と底打ちトレンドを形成し、底上げを窺っているが、25日移動平均線からはなお8%超のマイナスかい離と下げ過ぎを示唆している。最安値からストップ高を交えて6割高した急伸特性の再現期待を高め一段の戻りにチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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