建設技術研究所は24年12月期減収減益予想だが保守的
- 2024/3/29 09:21
- 決算発表記事情報
(決算速報)
建設技術研究所<9621>(東証プライム)は、不適切な原価管理に関する社内調査のため遅れていた23年12月期連結業績を3月26日に発表した。受注が好調に推移して大幅増収増益だった。不適切な原価管理の影響は軽微だった。24年12月期は不透明感などを考慮して減収減益予想としている。ただし、国土強靭化関連など良好な事業環境を勘案すれば保守的な印象が強く、上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。株価は2月の高値圏から反落し、さらに24年12月期減収減益予想も嫌気して上値を切り下げる形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。
■23年12月期大幅増収増益、24年12月期減収減益予想だが保守的
23年12月期の連結業績は、売上高が22年12月期比11.5%増の930億57百万円、営業利益が24.9%増の100億11百万円、経常利益が23.3%増の101億53百万円、親会社株主帰属当期純利益が28.2%増の75億34百万円だった。なお不適切な原価管理の影響は軽微だった。配当(23年11月10日付で期末50円上方修正)は、22年12月期比50円増配の150円(期末一括)とした。配当性向は27.7%となる。
受注が好調に推移(全社ベースの受注高は7.7%増の924億73百万円)して大幅増収増益だった。国内建設コンサルティング事業は受注高が6.8%増の621億61百万円、売上高が10.9%増の644億73百万円、セグメント利益(調整前営業利益)が29.9%増の89億43百万円だった。受注の好調に加え、大畑案件の受注や業務単価の上昇なども寄与した。海外建設コンサルタント事業は受注高が9.4%増の303億12百万円、売上高が12.9%増の285億83百万円、セグメント利益(同)が5.2%減の10億73百万円だった。受注が好調に推移して2桁増収だが、人件費高騰の影響などで小幅減益だった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が247億60百万円で営業利益が37億42百万円、第2四半期は売上高が228億63百万円で営業利益が34億24百万円、第3四半期は売上高が213億92百万円で営業利益が11億65百万円、第4四半期は売上高が240億42百万円で営業利益が16億80百万円だった。
24年12月期の連結業績予想は売上高が23年12月期比4.4%減の890億円、営業利益が16.1%減の84億円、経常利益が16.3%減の85億円、親会社株主帰属当期純利益が19.0%減の61億円としている。配当予想は23年12月期と同額の150円(期末一括)としている。予想配当性向は34.1%となる。
不透明感などを考慮して減収減益予想としている。ただし、国土強靭化関連など良好な事業環境を勘案すれば保守的な印象が強く、上振れ余地がありそうだ。積極的な事業展開で収益拡大を期待したい。
■株価は調整一巡
株価は2月の高値圏から反落し、さらに24年12月期減収減益予想も嫌気して上値を切り下げる形となったが、調整一巡して出直りを期待したい。3月28日の終値は5130円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS439円98銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の150円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS3958円89銭で算出)は約1.3倍、そして時価総額は約726億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)