積水化学工業など3社が共同で浮体式ペロブスカイト太陽電池の実証実験を開始

■水上設置の課題克服へ、軽量性と柔軟性を活かした新技術

 積水化学工業<4204>(東証プライム)、エム・エムブリッジ、恒栄電設の3社は4月5日、東京都北区にて浮体式ペロブスカイト太陽電池の共同実証実験を開始したと発表。同実験は、従来の水上設置の課題であった重量や施工性を克服し、水場を活用した脱炭素化社会の実現を目指す取り組み。

 2050年の脱炭素社会実現に向け、再生可能エネルギー(再エネ)導入拡大が求められている。従来のシリコン系太陽電池では設置が難しかった場所への設置が可能なフィルム型ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟性という特長から、有力な選択肢として期待されている。

 積水化学は、独自技術で開発したフィルム型ペロブスカイト太陽電池の屋外耐久性10年相当を確認し、30cm幅のロール・ツー・ロール製造プロセスを構築。さらに、発電効率15.0%の製造に成功し、1m幅製造技術の確立に向けて開発を加速させている。

 エム・エムブリッジは、浮体の構造設計や係留方法などのノウハウを活かし、フィルム型ペロブスカイト太陽電池を水上及び洋上に導入できると考え、共同実証実験に取り組んでいる。

 恒栄電設は、脱炭素に向けた取り組みを積極的に進め、計測制御システムの導入により、水上環境や浮体構成ならではの要素データの測定等、浮体式ペロブスカイト太陽電池の設置実験に有用なデータ取得を目指している。

 従来の水上設置の課題であった重量や施工性を克服するため、ペロブスカイト太陽電池の軽量性を活かした浮体構成や施工性を検証。実証実験は、東京都北区の閉校となった学校プールに浮体式ペロブスカイト太陽電池を設置し、浮体構成、施工性、発電性能を1年間検証する。3社は、同実証実験により水上アセットへの再エネ導入手法を確立し、ダム湖、河川、養殖場など、さまざまな水上を活用した脱炭素化社会への貢献を目指していくとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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