トレジャー・ファクトリーは25年2月期も2桁増益・連続増配予想
- 2024/4/11 09:06
- 決算発表記事情報
(決算速報)
トレジャー・ファクトリー<3093>(東証プライム)は4月10日の取引時間終了後に24年2月期連結業績を発表した。前回予想(2月14日付修正値)を上回る大幅増収増益で着地した。既存店売上が好調に推移し、前期出店店舗やグループ会社も貢献した。25年2月期も2桁増益・連続増配予想としている。さらに中期経営計画の25年2月期以降の目標数値も上方修正した。25年2月期は既存店売上(単体ベース、前年比)の想定103%に対して3月の既存店売上が108.9%と好調を維持していることなどを勘案すれば、会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。株価は上げ一服の形だが、一方で下値を順調に切り上げている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。
■24年2月期大幅増益、25年2月期も2桁増益・連続増配予想
24年2月期の連結業績は売上高が23年2月期比22.1%増の344億54百万円、営業利益が30.6%増の33億48百万円、経常利益が29.3%増の33億90百万円、親会社株主帰属当期純利益が31.0%増の22億41百万円、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却費)が30.9%増の38億19百万円だった。配当は28円(第2四半期末12円、期末16円)とした。23年3月1日付の株式2分割遡及修正後で比較すると23年3月期(18円50銭)比9円50銭増配で、配当性向は29.2%となる。
前回予想(2月14日付修正値、売上高344億15百万円、営業利益32億59百万円、経常利益33億06百万円、親会社株主帰属当期純利益21億48百万円)を上回る大幅増収増益・過去最高益で着地した。リユース意識の高まり、物価高による節約志向の高まり、行動制限緩和に伴う外出需要やインバウンド需要の回復、メディア露出増加による認知度向上などで既存店売上が好調に推移し、前期出店店舗やグループ会社も貢献した。
営業利益の前年比+7億83百万円の増減分析は、単体既存店と前期出店店舗の増益で+8億80百万円、新店で▲24百万円、その他(店舗以外の出張買取や宅配買取の体制強化に伴う費用増で▲2億80百万円、M&A関連の一時的費用で▲44百万円、採用強化に伴う求人広告費増加で▲43百万円など)で▲4億57百万円、グループ会社の利益貢献で+3億84百万円だった。
単体ベースの既存店売上高は109.5%、販売件数は104.1%、1件あたり販売単価は105.2%だった。単体ベースの売上総利益率は65.0%で0.8ポイント低下した。ブランド品やホビーアイテムなど原価率の高い高単価商材の販売が好調だったこと、下期に暖冬の影響で重衣料の販売が鈍化した影響などに加えて、前年は新品家電の供給が細ったため中古家電の売値や利益率が高くなっていたが、当期は通常の売値・利益率に戻ったことも影響した。なお新規出店はグループ合計26店舗で、24年4月末時点のグループ店舗数(海外およびFCを含む)は280店舗となった。
全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高82億59百万円で営業利益10億32百万円、第2四半期は売上高76億03百万円で営業利益4億15百万円、第3四半期は売上高90億10百万円で営業利益10億27百万円、第4四半期は売上高95億80百万円で営業利益8億73百万円だった。第2四半期は低単価の夏物衣料が増加するため、売上高・利益とも構成比が低い季節要因がある。
25年2月期の連結業績予想は、売上高が24年2月期比17.7%増の405億62百万円、営業利益が10.8%増の37億12百万円、経常利益が10.2%増の37億33百万円、親会社株主帰属当期純利益が10.0%増の24億66百万円としている。配当予想は24年2月期比4円増配の32円(第2四半期末16円、期末16円)としている。予想配当性向は30.4%となる。
引き続き既存店売上が伸長し、前期出店店舗やグループ会社も貢献する見込みだ。新規出店(連結ベース)は過去最多となる30店舗、既存店売上(単体ベース)は前年比103%の計画としている。売上総利益率(連結ベース)は0.3ポイント低下して60.3%、販管費比率(連結ベース)は0.3ポイント上昇して51.2%の計画としている。売上総利益率については、仕入に係る送料の一部を販管費から売上原価に変更すること、24年2月期第4四半期から連結PLに取り込んだゴルフリユース業態(売上総利益率30%台後半)を通期連結することなどが影響する。販管費については、ベースアップと定期昇給による年間約6%の増加(人員増影響を除く)に加え、店舗以外の買取拠点の拡張に伴う費用増加なども見込んでいる。
25年2月期も2桁増益・連続増配予想としている。さらに中期経営計画の25年2月期以降の目標数値も上方修正した。25年2月期は既存店売上(単体ベース、前年比)の想定103%に対して3月の既存店売上が108.9%と好調を維持していることなどを勘案すれば、会社予想は上振れの可能性が高く、積極的な事業展開で収益拡大基調だろう。
■株価は上値試す
株価(23年3月1日付で株式2分割)は上げ一服の形だが、一方で下値を順調に切り上げている。好業績を評価して上値を試す展開を期待したい。4月10日の終値は1427円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS105円35銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想の32円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS362円06銭で算出)は約3.9倍、そして時価総額は約347億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)