【パワー半導体向けウエハー市場:富士経済調べ】2035年に4.7倍の1兆763億円に拡大予測!自動車電動化でSiCベアウエハーがけん引
- 2024/4/18 10:26
- その他・経済
■2035年に4.7倍の1兆763億円に拡大予測
富士経済株式会社が2024年4月17日に発表した調査によると、パワー半導体向けウエハーの世界市場は、2023年比4.7倍の1兆763億円に拡大する見込み。これは、自動車の電動化などを背景としたパワー半導体需要の急増によるもの。
■2024年は前年比23.4%増の2813億円
2024年の市場規模は、前年比23.4%増の2813億円と予測されている。SiCベアウエハーは主要メーカーが生産能力を増強したことなどから前年比56.9%増で、シリコンウエハーの規模を上回るとみられる。一方、シリコンウエハーは在庫調整の影響を受け、前年を下回る見込み。
■2025年以降はSiCベアウエハーが市場をけん引
2025年以降は、パワー半導体の需要増加に比例して市場拡大していくと予想される。自動車の電動化による需要増加でSiCベアウエハーが長期的に市場をけん引し、シリコンウエハーも生産調整の影響から脱するとみられる。さらに、GaNウエハーの大口径化が進むことや、酸化ガリウムウエハーの量産開始といった上乗せもあり、2035年の市場は2023年比4.7倍の1兆763億円と予測される。
■化合物ウエハーの開発も進む
市場はまだ顕在化していないものの、化合物ウエハーではダイヤモンドウエハー、窒化アルミニウムウエハー、二酸化ゲルマニウムウエハーなどの開発が進められており、実用化が期待されている。
■今後は大口径化がさらに進む
近年はパワー半導体の需要増加に伴い、ウエハーの大口径化が進んでいる。SiCベアウエハーは6インチが大半を占める構造が続くとみられるが、現在開発・サンプル出荷が進められている8インチウエハーの市場が2025年以降顕在化し、2035年には13.3%の構成比を占めると予測される。
一方、シリコンウエハーは8インチウエハーが多くの産業分野などで採用され、今後も6割以上を占めるとみられる。12インチウエハーはIGBTやMOSFETでの採用が進んでおり、自動車・電装分野の需要増加に伴って採用がさらに増えるとみられる。将来的には特定のデバイスを除き8インチと12インチが採用されることが予想される。
■調査対象および方法
・調査対象:パワー半導体向けウエハー、ウエハーメーカー動向
・調査方法:富士経済専門調査員による参入企業および関連企業・団体などへのヒアリングおよび関連文献調査、社内データベースを併用
・調査期間:2024年2月~3月
(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)