ファンデリーは24年3月期黒字転換、25年3月期は営業増益予想

(決算速報)
 ファンデリー<3137>(東証グロース)は4月30日の取引時間終了後に24年3月期業績(非連結)を発表した。売上面はMFD事業の回復遅れなどにより減収だが、利益面はCID事業の営業損失縮小などにより黒字転換した。25年3月期は営業増益予想としている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。なお24年3月31日時点でグロース市場の上場維持基準に全て適合した。今後はグロース市場からスタンダード市場への移行を目指すとしている。株価は動意づいて急伸する場面があったが、その後は買いが続かず反落の形となった。調整一巡して出直りを期待したい。

■24年3月期は4期ぶりに黒字転換、25年3月期は営業増益予想

 24年3月期の業績(非連結)は売上高が23年3月期比5.8%減の26億46百万円、営業利益が58百万円(23年3月期は2億85百万円の損失)、経常利益が55百万円(同2億84百万円の損失)、当期純利益が66百万円(同2億84百万円の損失)だった。売上面はMFD事業の回復遅れなどにより減収だが、利益面はCID事業の営業損失縮小などにより、4期ぶりに黒字転換した。

 MFD事業は売上高が8.5%減の20億64百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が32.4%減の3億24百万円だった。医療機関を中心とした紹介ネットワークからの新規顧客が減少し、利益面では新卒・中途社員の採用に伴う人件費の増加、資源価格上昇に伴うカタログ制作費用の増加なども影響した。なお第4四半期のアクティブ会員数は2万4088人、月間ARPU(3ヶ月平均)は1万5003円、定期コース会員数は6084人、紹介ネットワーク数は1万9698箇所だった。

 CID事業は売上高(セグメント間の内部売上高含む)が73.1%増の2億45百万円で利益が3億23百万円の損失(23年3月期は7億58百万円の損失)だった。依然として損益分岐点に達していないが、各種プロモーションやMFD事業向け商品の製造(内部取引)による数量増、送料体系変更に伴う平均購入単価上昇、広告宣伝費の抑制などにより営業損失が大幅に縮小した。なお第4四半期のアクティブ会員数は3148人、月間ARPU(3か月平均)は8417円、AI旬すぐ会員数は1072人となった。月間ARPU(3か月平均)を四半期別にみると、23年3月期第3四半期の5556円をボトムとして、第4四半期が5875円、24年3月期第1四半期が6520円、第2四半期が8125円、第3四半期が8314円、第4四半期が8417円と上昇基調である。

 マーケティング事業は売上高が15.2%増の4億75百万円で利益が17.9%増の3億42百万円だった。健康食通販カタログの広告枠販売に加えて、紹介ネットワークを活用した業務受託を複数案件獲得し、収益が大幅に改善した。

 全社業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億80百万円で営業利益が3百万円の損失、第2四半期は売上高が6億81百万円で営業利益が49百万円、第3四半期は売上高が6億62百万円で営業利益が8百万円、第4四半期は売上高が6億22百万円で営業利益が3百万円だった。第2四半期以降は営業黒字基調となっている。

 25年3月期の業績(非連結)予想は売上高が24年3月期比16.1%増の30億72百万円、営業利益が6.9%増の62百万円、経常利益が63.1%減の20百万円、当期純利益が71.2%減の19百万円としている。

 セグメント別計画は、MFD事業の売上高が16.6%増の24億06百万円でセグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が12.1%増の3億百万円、CID事業の売上高(セグメント間の内部売上高含む)が24.0%減の1億86百万円で利益が3億68百万円の損失(24年3月期は2億05百万円の損失)、マーケティング事業の売上高が9.4%増の5億20百万円で利益が7.4%増の3億67百万円としている。

 経常利益と当期純利益については支払利息の増加などを考慮して減益予想だが、売上面はMFD事業の受注増加やマーケティング事業の堅調推移などで2桁増収を見込み、営業利益は人件費や広告宣伝費などの増加を吸収して増益予想としている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価は動意づいて急伸する場面があったが、その後は買いが続かず反落の形となった。調整一巡して出直りを期待したい。5月1日の終値は338円、今期予想PER(会社予想のEPS3円01銭で算出)は約112倍、前期実績PBR(前期実績のBPS64円00銭で算出)は約5.3倍、時価総額は約22億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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