伊藤忠商事が上場来高値を更新、旧・ビッグモーターの「WECARS」発足に加え大手商社株には投資ファンド接近の買い材料の見方、三菱商、住友商なども軒並み高値に進む
■日銀介入などで円安転換し海外での「買い負け」緩和の期待も
伊藤忠商事<8001>(東証プライム)は5月2日、反発一段高となり、午前10時過ぎに7274円(143円高)まで上げ、値上がり率は2%だが上場来の高値に進んでいる。5月1日付で、旧・ビッグモーターを「株式会社WECARS」(ウィーカーズ、以下「WECARS」)として新発足させたと発表したことや、5月8日に予定する3月決算発表への期待が買い材料視されているようだ。
もっとも、2日の株式市場では、丸紅<8002>(東証プライム)、住友商事<8053>(東証プライム)、三菱商事<8058>(東証プライム)も上場来の高値に進んでおり、大手商社株はほぼ全面高となっている。この要因としては、4月28日に「アクティビストの米エリオット、住友商事に数百億円投資」(ブルームバーグニュース)と伝えられたことを契機として大手商社株全体に同様の期待が広がったことが言われているほか、この数日の円相場が日銀介入と米FOMCの金融政策を受けて円高に振れてきたため、海外市場での「買い負け」が緩和される期待があるとの見方も出ている。このため、伊藤忠商事には、こうした要因に加えて「WECARS」の期待材料もあるとみるのが自然体のようだ。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)