クレスコは今期15.2%営業増益を計画、前期は積極採用や給与アップなどで2.5%増だったが再拡大へ、6月に株式2分割を実施

(決算速報)
■25年3月期の年間配当は分割前換算で76円(前期比24円増)に

 クレスコ<4674>(東証プライム)は5月10日の夕方、2024年3月期の連結決算と24年6月末を基準日とする株式分割を発表した。

 株式分割は、24年6月30日最終の株主名簿に記録された株主の所有普通株式を、1株につき2株の割合をもって分割する。ただし当日は株主名簿管理人の休業日(日曜日)のため、実質上は24年6月28日最終の株主名簿に記録された株主の所有普通株式を対象に分割を行う。

 24年3月期の連結決算は、売上高が前期比9.1%増の527億55百万円となった。クラウド分野でCAD等のシステムをテレワーク環境でも快適に操作できるサービス「GPUSOROBANリモートワークステーション」の提供を23年9月に開始したほか、AI分野では、社内の業務効率化と顧客への提案内容の高度化を目的として、Microsoft社の「AzureOpenAI Service」を利用した生成AIチャットサービス「CrePT(クレプト)」を構築し、グループ企業でもクレスコ・デジタルテクノロジーズが製造業向けの「統合BOM管理ソリューション」の提供を発表し、クレスコベトナムは現地の日系製造業向けに生産管理システムの販売を開始するなどの積極展開を行った。

 利益面では、本体および一部の連結子会社で新卒社員を積極的に採用したことや給与水準の引き上げを実施したこと、並びに教育投資を拡大したことに伴い、人件費や教育費が増加したが、営業利益は同2.5%増の51億21百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.0%増の37億28百万円となった。

 24年2月には、「中期経営計画2023」における目標の一つである当社全体でのISMS認証取得を達成した。また、24年2月に配当方針の変更を決定し、25年3月期の中間配当より配当性向を40%を目処とすることを発表するとともに、3月には当期の期末配当金額の2円増配を公表した。これにより、24年3月期の年間配当は1株52円(前期比2円増)の予定とし、今期・25年3月期の年間配当は株式分割後の額で同38円の予定(分割前換算で同76円、前期比24円増)の予定とした。

 今期・24年3月期の連結業績予想は、売上高を585億円(前期比10.9%増)とし、営業利益は59億円(同15.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は40億円(同7.3%増)とした。24年4月にスタートした「中期経営計画2026」で掲げた26年度の「連結売上高700億円」「連結営業利益率11.5%」「連結ROE15%以上」の財務目標に向け、計画初年度として、策定した成長戦略を着実に実行し、売上高の増加と収益性の向上を目指す。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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