ジャパンフーズの24年3月期は純利益が12期ぶりに最高を更新、ROEは10%台を達成

(決算速報)
■原材料の高騰などをエネルギーコスト改善で相殺

 飲料受託生産の大手・ジャパンフーズ<2599>(東証スタンダード)が5月10日夜発表した2024年3月期の連結決算は、親会社株主に帰属する当期純利益が2002年3月期以来12期ぶりに最高を更新するなどの最高益決算となった。

 決算発表と同時に、丸紅<8002>(東証プライム)の100%出資により設立されたアイ・シグマ・キャピタル株式会社によって管理・運営される事業支援ファンドの100%子会社・JAFホールディングス株式会社がジャパンフーズ株式にTOB(株式公開買付)を行うこと、これに賛同することなども発表した。

 ジャパンフーズの2024年3月期の連結決算は、新たな販売領域の開拓や新製品の積極受注、生産性向上への取り組みなどが奏功し、売上高は前期比19.6%増の120億58百万円となり、営業利益は前期の7.0倍の10億09百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同3.8倍の9億25百万円となった。純利益は2002年3月期以来12期ぶりに最高を更新するなどの最高益決算となった。

 前期に続き、あらゆる生産性の向上、新製品の積極受注や新たな販売領域の創出による収益の最大化や財務体質の改善に努め、生産における洗浄時間の短縮やトラブル低減等による設備稼働率を高めた。原材料の高騰などによる製造経費の増加を、エネルギーコストの改善(エネルギー使用量の改善、政府のエネルギー価格抑制策の効果等)や、生産性向上(有形固定資産の耐用年数変更に伴う減価償却費の減少を含む)で相殺した。これらの努力により、連結決算でのROE(株主資本利益率)は11.3%となり、前期比8.3pt増加して中長期目標である10%台を達成した。

 今期・25年3月期の連結業績予想は、地政学的リスクや円安の進行による物価高に加え、物流の2024年問題によるコスト上昇などを見込み、売上高を125億円(前期比3.7%増)とする一方、営業利益は7億90百万円(同21.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は8億50百万円(同8.1%減)と増収減益を想定する。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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