【株式市場特集】円安・ドル高メリット株に注目、「悪い円安」を「良い円安」へチャンス到来

■高額品・ブランド品株、不動産株、証券株が狙い目!

 今週の当コラムは、円安・ドル高メリット株に注目することにした。高額商品・ブランド品関連の百貨店株や化粧品株、円キャリートレンド関連の不動産株、証券株などである。年初来高値水準にある銘柄も多いが、これから続く日米中央銀行の金融政策決定会合を横目にみながら順張り・逆張りのタイミングを計れば、パフォーマンスはいや増すはずである。「悪い円安」を「良い円安」にシフトさせるチャンス到来となる。

■高額商品、ブランド品、宝飾品などで業績の上場修正が相次ぐ

 高額商品・ブランド品関連でまず浮上するのが、百貨店株である。三越伊勢丹ホールディングス<3099>(東証プライム)、高島屋<8233>(東証プライム)は、コロナ禍の一巡とともに高額商品、宝飾品などの販売が拡大しともに前期業績を四半期決算発表のたびに3回も上方修正した。このうち三越伊勢丹HDの株価感応度は、2回目の上方修正では限定的にとどまったが、3回目は自己株式取得の同時開示も加わり「三度目の正直」よろしく4割高し、その3月期決算の発表を明14日に予定している。高島屋も、2月期決算を今年4月12日に発表し、年初来高値まで買い進まれていたこともあり、材料出尽くしとして急落したが、8月31日を基準日に株式分割も予定していることから出直り展開も想定される。

 同業他社のJ・フロントリテイリング<3086>(東証プライム)、松屋<8237>(東証プライム)、エイチ・ツー・オー リテイリング<8242>(東証プライム)や地方百貨店の大和<8247>(東証スタンダード)、さいか屋<8254>(東証スタンダード)、井筒屋<8260>(東証スタンダード)も要注目となる。百貨店株は、総じて投資採算的にはやや割高だが、これからお中元セールを迎え支援材料となりそうだ。高額商品では、「メイド・イン・ジャパン」の化粧品もインバウンド需要が期待される。ただ本家本元の資生堂<4911>(東証プライム)が、前週末10日大引け後に今12月期第1四半期業績の赤字転落を発表しており、週明けの株価反応がポイントとなりそうだが、そのほか花王<4452>(東証プライム>、ファンケル<4921>(東証プライム)、コーセー<4922>(東証プライム)、ポーラ・オルビスホールディングス<4927>(東証プライム)は順調な業績推移しており、なお上値余地がありそうだ。同じく5月9日に3月期業績を発表したコメ兵ホールディングス<2780>(東証スタンダード)などの中古ブランド品買い取り・再販株、5月8日に3月期業績の上方修正と増配を発表したナガホリ<8139>(東証スタンダード)などの宝飾株にも出番が回りそうだ。

■「円キャリートレード」関連では不動産株、証券株に追い風

 「安いニッポン」への円キャリートレードでは、まず不動産投資の受け皿となる不動産再生・ファンド株、不動産テック株などへの追い風が注目される。ヒューリック<3003>(東証プライム)、ファーストブラザーズ<3454>(東証スタンダード)、トーセイ<8923>(東証プライム)などで業績の上方修正、再上方修正、増配、再増配などが続いた。ロードスターキャピタル<3482>(東証プライム)、サンフロンティア不動産<8934>(東証プライム)も含め足元では年初来高値水準にあるが、PERは10倍前後となお割安水準にあることも共通している。不動産テック株では、投資採算的に割安なタスキホールディングス<166A>(東証グロース)、アンビションDXホールディングス<3300>(東証グロース)、LeTech<3497>(東証グロース)などから目配りしたい。

 日本株買いでは、証券株の活躍場面となる。大和証券グループ本社<8601>(東証プライム)、野村ホールディングス<8604>(東証プライム)の大手2社に加え、野村HDと同様にPBRが1倍を割っている岡三証券グループ<8609>(東証プライム)、東洋証券<8614>(東証プライム)、東海東京フィナンシャル・ホールディングス<8616>(東証プライム)、光世証券<8617>(東証スタンダード)、水戸証券<8622>(東証プライム)、いちよし証券<8624>(東証プライム)、極東証券<8706>(東証プライム)、岩井コスモホールディングス<8707>(東証プライム)などを幅広くマークしたい。バークシャー・ハザウェイの起債する円建て社債の幹事証券に名を連れるみずほ証券の親会社のみずほフィナンシャルグループ<8411>(東証プライム)も、関連株買いが期待できそうだ。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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