■デジタル化加速で淘汰進む、40件倒産、9年ぶり高水準
東京商工リサーチの調査によると、2024年1-4月の広告関連業(広告業、広告制作業)の倒産は40件(前年同期比37.9%増)となり、2015年以来9年ぶりに40件台に乗った。コロナ禍の影響で広告需要が減少していたものの、コロナ関連の資金繰り支援策の効果もあり、2020年以降は年間100件を下回っていた。しかし、支援策の終了・縮小と経済活動の平時化により、倒産は急増している。
この水準で推移すると、2024年は年間100件を超え、コロナ禍前の2019年以来5年ぶりの高水準となる可能性がある。
倒産企業の多くは1億円未満の負債規模で、資本金1千万円未満が6割を占めている。また、地域別では関東が23件で最多、都道府県別では東京が15件で最多となっている。
広告業界は、コロナ禍による広告出稿先のアナログからデジタルへのシフト加速に加え、AIやビッグデータの活用などマーケティング手法の多様化といった環境変化に直面している。こうした変化に対応できない企業を中心に淘汰が進み、倒産は今後も増勢を続けることが予想される。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)