冨士ダイスは25年3月期大幅増益・大幅増配予想
- 2024/5/17 09:51
- 決算発表記事情報
(決算速報)
冨士ダイス<6167>(東証プライム)は5月15日の取引時間終了後に24年3月期連結業績を発表した。減収減益だった。自動車部品関連金型などの需要が低調に推移し、熊本工場冶金棟建設に伴う一時的費用なども影響した。25年3月期は需要回復や原価低減などにより大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。なお新中期経営計画(25年3月期~27年3月期)を策定し、配当方針を変更して25年3月期大幅増配予想とした。株価は安値圏でモミ合う形だったが、25年3月期大幅増益・大幅増配予想を好感して急伸している。高配当利回りや1倍割れの低PBRなども評価材料であり、モミ合いから上放れて上値を試す展開を期待したい。
■24年3月期は減益、25年3月期は大幅増益・大幅増配予想
24年3月期の連結業績は売上高が23年3月期比2.9%減の166億78百万円、営業利益が29.7%減の8億09百万円、経常利益が28.0%減の8億82百万円、親会社株主帰属当期純利益が45.1%減の7億09百万円だった。配当は創業75周年記念配当10円を実施し、23年3月期と同額の32円円(期末一括、普通配当22円+記念配当10円)とした。配当性向は89.6%となる。
自動車部品関連金型などの需要が低調に推移し、熊本工場冶金棟建設に伴う一時的費用なども影響した。
製品別売上高は、超硬製工具類が4.8%増の47億88百万円、超硬製金型類が7.1%減の39億20百万円、その他超硬製品が6.0%減の40億04百万円、超硬以外の製品が3.9%減の39億64百万円だった。超硬製工具類は海外向け溝付きロールや一部の鋼管用引抜工具が好調だった。超硬製金型類はモーターコア用金型が好調だったが、二次電池向け金型が顧客の生産地変更の影響で大幅に減少したほか、自動車部品関連金型が自動車部品メーカーの在庫調整の影響で低調だった。その他超硬製品は半導体製造装置向けが堅調だったが、中国向け素材販売が低調だった。超硬以外の製品は、一部の鋼製自動車部品用工具・金型が堅調だったが、引抜鋼管が低調だった。
なお全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が41億07百万円で営業利益が2億90百万円、第2四半期は売上高が41億03百万円で営業利益が1億51百万円、第3四半期は売上高が41億13百万円で営業利益が1億49百万円、第4四半期は売上高が43億55百万円で営業利益が2億19百万円だった。
25年3月期の連結業績予想は売上高が24年3月期比7.9%増の180億円、営業利益が26.1%増の10億20百万円、経常利益が30.4%増の11億50百万円、親会社株主帰属当期純利益が17.0%増の8億30百万円としている。配当予想は24年3月期比8円増配の40円(期末一括)としている。24年3月期の32円には記念配当10円が含まれているため、普通配当ベースでは18円増配の形となる。予想配当性向は95.7%となる。
需要回復や原価低減などにより大幅増益予想としている。積極的な事業展開で収益回復基調を期待したい。なお新中期経営計画(25年3月期~27年3月期)を策定し、目標数値に27年3月期営業利益20億円、ROE7.0%などを掲げた。また配当方針も変更(従来は配当性向50%目処、本計画期間中はDOE4%目処)して25年3月期大幅増配予想とした。
■株価は急反発
株価は安値圏でモミ合う形だったが、25年3月期大幅増益・大幅増配予想を好感して急伸している。高配当利回りや1倍割れの低PBRなども評価材料であり、モミ合いから上放れて上値を試す展開を期待したい。5月16日の終値は719円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS41円78銭で算出)は約17倍、今期予想配当利回り(会社予想の40円で算出)は約5.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1039円32銭で算出)は約0.7倍、そして時価総額は約144億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)