■半数の企業が適正レートを110~120円と回答
2021年以降、円安傾向が続き、特に2024年4月には円安が急加速、一時的に1ドル=160円台を記録した。その後、変動を繰り返しつつも150円台を維持している。こうした円安の影響を受け、企業活動にさまざまな影響が及んでいる。
帝国データバンクが実施した円安に関する企業影響アンケートによると、円安が自社の利益に「マイナス影響」を及ぼしていると回答した企業は63.9%に上る。一方、売上高に関しては「マイナス影響」が35.0%で、「影響なし」が49.0%だった。企業からは「輸入材料やエネルギー価格の上昇を受けて収益が低下している」との声が多数寄せられた。
アンケートによると、企業が考える適正な為替レートは「1ドル=110円~120円台」との回答が50.1%で最多だった。「120円以上~130円未満」が28.9%、「110円以上~120円未満」が21.2%と続いた。現行の円安水準では、企業活動が厳しいとの声が多く聞かれた。
企業からは、急速な円安への対策や為替相場の安定を求める声が多く出ている。また、原材料価格の上昇分を価格転嫁できる機運を高め、継続的な賃上げによる消費拡大、設備投資の増加という好循環への期待も示された。企業活動の安定のためには、適正な為替レートの維持が求められている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)