【株式市場特集】1兆円規模の経済効果が期待される新紙幣発行関連株、恩恵を受ける銘柄は?

■定番銘柄からクレジット株まで、幅広い投資チャンス

 今週の当コラムは、主力株の方向感が、米国市場の動向に左右されまだ不安定な相場環境下、この圏外に位置し経済効果が1兆6000億円とも観測されている新紙幣発行関連株に再度、注目し再浮上余地のある銘柄を取り上げることとした。

■紙幣識別機、ATM、自販機、券売機にまず定番銘柄人気

 新紙幣発行関連の定番銘柄は、発行そのものに関連するハード銘柄となる。例えば紙幣用原料パルプを供給の三菱製紙<3864>(東証プライム)は、すでに財務省・日銀が、今年3月末までに45億3000万枚の新紙幣を印刷してスタンバイし、7月以降は流通量をみながら増刷するかどうかを決めるとされており、増刷ならまたまた特需享受となる。となれば、紙幣印刷機の小森コーポレーション<6349>(東証プライム)への関連性も再評価されそうだ。

 このほか紙幣識別センサーのユビテック<6662>(東証スタンダード)、浜松ホトニクス<6965>(東証プライム)、紙幣処理・識別機の日本金銭機械<6418>(東証プライム)、グローリー<6457>(東証プライム)、ムサシ<7521>(東証スタンダード)、マミヤ・オーピー<7991>(東証スタンダード)、紙幣両替機のオムロン<6645>(東証プライム)、ATM(現金自動預け払い機)のOKI<6703>(東証プライム)、自動券売機の高見沢サイバネティックス<6424>(東証スタンダード)、自動販売機の富士電機<6504>(東証プライム)、路線バスの運賃箱の小田原機器<7314>(東証スタンダード)なども関連株に再浮上してくる。

■クレジット株などキャッシュレス決済関連株にも幅広く波及

 中小事業者が、導入コストを懸念して関連機器・システム投資に躊躇するなか、関連株として注目されるのがキャッシュレス決済株である。中小飲食店などでは、新紙幣発行を契機に人手不足対策も兼ねて「現金お断り」のキュッシュレス決済に移行する動きも伝えられている。日本の個人消費支出に占めるキャッレス決済比率は、年々上昇し昨2023年12月末現在で39.3%まで高まったと報告されているが、まだ決済比率としては中進国レベルである。それが新紙幣発行とともに、一段とレベルアップする展開も想定させる。この関連株は、キャッシュレス決済に占める決済方式の比率から導き出される可能性もある。キャッシュレス決済のうちトップに位置するのは、クレジットカード決済の83.5%である。クレジットカード株のクレディセゾン<8253>(東証プライム)、ジャックス<8584>(東証プライム)、オリコ<8585>(東証プライム)、クレジットカード基幹業務システムのTIS<3626>(東証プライム)やインテリジェント ウェイブ<4847>(東証プライム)、アイネット<9600>(東証プライム)なども、投資採算的にも割安で関連株の第一候補となる。なおTISは、今3月期業績の連続減益予想を嫌って年初来安値追いとなっているが、配当は増配を予定し自己株式取得を同時発表している。

 決済方式で第2位は8.6%のコード決済で、この関連では日本プリメックス<2795>(東証スタンダード)、サトーホールディングス<6287>(東証プライム)、テクノホライゾン<6629>(東証スタンダード)、デンソー<6902>(東証プライム)などが割安株として候補株になる。このほかコンビニ向けの決済代行のウェルネット<2428>(東証スタンダード)、決済代行サービスを立ち上げた電算システムホールディングス<4072>(東証プライム)も割安関連株の一角を形成する。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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