【注目銘柄】神鋼商事は反落も新中期経営計画を手掛かりに割安修正期待の押し目買いも交錯

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 神鋼商事<8075>(東証プライム)は、前日27日に70円安の7020円と反落して引けた。今年3月27日につけた上場来高値7430円を前に利益確定売りと押し目買いが交錯した。押し目買いは、今年5月9日に発表した3月期決算と新中期経営計画が手掛かりにしており、今3月期の経常利益は、前期の過去最高から減益転換を予想しているものの、新中期経営計画では2023年3月期の経常利益の目標を145億円としてこのための投資額を前中期経営計画に比べて倍増させることがポジティブに評価された。テクニカル的にも、5日移動平均線が25日移動平均線を上抜いてミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現し、上昇トレンド転換を示唆していることもフォローの材料視されている。

■中期計画では最終年度の経常利益が13%伸び設備投資額は倍増

 同社の前2024年3月期業績は、今年2月7日の上方修正値を上ぶれて着地し、経常利益は128億1400万円(前々期比1.1%増)と過去最高を更新した。国内の自動車生産が緩やかに回復して鋼材価格も上昇、販売管理費が減少した上に為替相場が、円安・ドル高で推移したことなどか要因となった。今2025年3月期業績は、売り上げ6230億円(前期比5.3%増)、営業利益107億円(同19.5%減)、経常利益110億円(同14.2%減)、純利益810億円(同11.1%減)と見込んでいる。売り上げは、自動車生産が堅調に推移するほかベトナムでの半導体向けアルミ製品やインドの合弁会社での建設機械部品の寄与なども加わり続伸するが、利益は、人件費増や営業活動強化に伴う販売管理費の大幅増加などから伸び悩むとしている。ただ同社の業績ガイダンスは、もともと保守的で、前期業績も期初の減益転換予想が上方修正され過去最高を更新して着地しており、今後の業績推移は要注目となる。

 一方、新中期経営計画は、前期で終了した旧中期経営計画が目標も上回ったことを受けてさらに業績目標を積極化し最終年度の2027年3月期の経常利益は、145億円と前期実績に対して13%増と見込んでいる。3年間の投資額も、230億円と旧中期計画中の117億円に対して倍増させる計画で、KOBELCOグループの中核商社としてさらなる事業の拡大・深掘りを進めるとともに、新規事業推進案件にとくに注力し、べトナムの半導体製造装置向けのアルミ製品やインドの建設機械部品などの拡大を図る。また株主還元策についても、連結配当性向30%か年間300円以上か高い方の配当を予定、今期は、年間300円(前期実績315円)を予定している。

■ミニGC示現でPER7倍、PBR0.7倍、配当利回り4.2%の修正に拍車

 株価は、前期の四半期業績が伸び悩み傾向で推移したことから5000円台央でのもみ合いが続いたが、今年2月の前期業績の上方修正と増配で7000円台に乗せ、期末の配当権利取りで上場来高値7430円まで上値を伸ばした。同高値後は、配当権利落ちで6550円まで調整し今期業績の減益転換予想と新中期経営計画とが綱引きするなか、7180円高値までリバウンドし、さらに戻りを探り5日線が25日線を上抜くミニGCを示現して上昇トレンド転換を示唆した。PERは7・63倍、PBRは0.71倍、年間配当利回りは4.27%と割り負けており、上場来高値奪回から一段の上値チャレンジも有望となる。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

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