クオリプス、ヒトiPS細胞由来心筋細胞シートを用いた拡張型心疾患の治療で心筋細胞シート提供
- 2024/5/30 07:55
- IR企業情報
■難病の拡張型心疾患治療に新たな選択肢
クオリプス<4894>(東証グロース)は5月29日、大阪大学が進める拡張型心疾患のヒトiPS細胞由来心筋細胞シート治療の医師主導治験において、一例目の移植用心筋細胞シートを提供したと発表。このプロジェクトは、AMEDの再生医療実用化研究事業に採択されており、クオリプスは分担機関として細胞シートの作製を担当している。
拡張型心疾患は、心筋収縮不全と左室拡大を特徴とする難病であり、心臓移植以外に根治療法がなかった。今回の医師主導治験は、これまでの虚血性心疾患に対するiPS心筋細胞シート治療に続き、新たな適用拡大を目指すもの。細胞シート治療は、患者自身のiPS細胞から心筋細胞を作製し、損傷部位に移植することで再生を促す革新的な治療法である。
今後クオリプスは、細胞シートの安定供給を通じて大阪大学の治験を支援していく。同治療の実用化が進めば、従来の治療で難渋していた拡張型心不全患者に新たな選択肢を提供できるようになる。このようにiPS細胞を用いた再生医療は、難病領域への応用が本格化しつつあり、心臓病治療の新たな地平が開けようとしている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)