6月5日上場のアストロスケールHDは1281円(公開価格の51%高)で初値、「宇宙空間の非協力物体」除去などめざす

株式市場 IPO 鐘

■JAXA(宇宙航空研究開発機構)はじめ英、仏のプロジェクトでミッションを遂行

 6月5日新規上場となったアストロスケールHD(アストロスケールホールディングス)<186A>(東証グロース)は、買い気配で始まり、取引開始から1時間半を過ぎた午前10時36分に1281円(公開価格850円の51%高)で初値をつけ、その後1387円(同63%高)まで上げている。

 「宇宙空間の非協力物体」(デブリなど、位置情報を発信せず自由運動(回転など)をして宇宙空間を飛翔している物体)の除去などの事業化をめざすスペースベンチャー企業。現在はプロジェクト収益(売上収益+政府補助金収入)が頼りだが、2024年4月期はプロジェクト収益44億円(前年同期比145.4%増)を見込んでいる。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、デブリ除去を新規宇宙事業として拓き、民間事業者が新たな市場を獲得することを目的として、デブリ対策の事業化を目指す民間事業者と連携し、世界初の大型デブリ除去等の技術実証(CRD2:商業デブリ除去実証)を開始した。実証は2回に分けられ、まず第一段階であるフェーズ1の契約相手方の公募を実施し、2020年に当社グループが採択され、フェーズ1を遂行する当社グループのサービサー衛星が24年2月18日に打ち上げられた。当該サービサー衛星をADRASJ(アドラス・ジェイ)と呼び、ロケット上段の観測を目的とするISSAミッションを遂行する。

 技術実証CRD2のフェーズ2は、フェーズ1で得られた情報も踏まえ、宇宙機を観測済みの当該大型デブリに接近させ、捕獲し、除去するADRミッション。日本では、当社の国内連結子会社である株式会社アストロスケールが、JAXAのCRD2フェーズ2のフロントローディング技術検討を完了した。23年12月には、フェーズ2に係る最終的な公募が発出され、同社は24年2月に入札を実施し、24年4月に採択された。英国では、Astroscale Ltdがイギリス宇宙庁(UKSA)のデブリ除去プログラム COSMIC Phase B(契約金額:約2.0 百万英ポンドに係る開発を進め、23年9月にシステム要求審査(SRR)が完了した。同プログラムにおいて、英国政府は27年4月期中の打上げを目指しており、後続フェーズに係る公募においても、当社グループは提案・入札する予定でいる。フランスでは、当社のフランス連結子会社である Astroscale France SAS がフランス国立宇宙研究センター(CNES)からデブリ除去に関する研究案件を受注した。(HC)(情報提供:日本インタビュ新聞社・Media-IR 株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  2. ■2024年度上半期163件で過去最多更新  人手不足による倒産が急増している。帝国データバンクの…
  3. ■新たなモビリティ社会実現に向けた取り組み加速  トヨタ自動車<7203>(東証プライム)は10月…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る